広島県呉市「石崎動物病院」

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2016年03月05日(土)

猫の下顎結合と硬口蓋結合の分離 [News]

●プチ 7歳ぐらい ♂ Mix
2週間行方不明で、近所の方から連絡を戴いたそうです。詳細を調べると、交通事故で頭をぶつけることで良く発生する、上顎と下顎結合部の分離がみられました。お腹も酷くぶつけているのか、著しい血尿と神経障害で尿が自力では出せません。できるだけ速やかな修復が必要ですが、風邪を引いて居る上に、長期行方不明により著しい脱水と栄養失調を伴っています。

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●下顎結合の分離
7日後、麻酔をかけるには不十分な状態ですが、硬口蓋の穴が開いたままになっていることで、よだれと膿が止まりません。貧血PCV16%(正常は>27%)ですが、慎重に手術を行うことにしました。

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●下顎結合の修復
分離した下顎をワイヤーで締結しました。

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●硬口蓋結合の分離

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●硬口蓋結合の修復
ワイヤーで分離部分を引き寄せて硬口蓋を縫合しました。

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●術後
翌日からは、多量の鼻汁とヨダレがほとんど止まり、状態が改善してきました。また、膀胱内の出血により発生した血餅で、尿の閉塞を繰り返しましたが、現在は改善しています。神経障害による排尿の問題が残りますが、鍼治療で回復を計りたいと思います。

●再発
残念ながら一部が再び開いてしまいました。前回は、全身状態が非常に悪い中(貧血と感染)、短時間の緊急処置であったため不十分だったかもしれません。

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今回は、全身状態がずいぶんと回復したので、時間の余裕があり、腰を据えてじっくりと処置を行いました。その後の経過は後ほど・・・・。

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●3か月後
2度の処置を行い、やっと正常に復しました。上顎を固定していたワイヤーを抜き、後退していた歯茎を前進させて処置を終了しました。

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17時12分


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