広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

News

RSS1.0


2016年02月06日(土)

犬の頚部腫瘤と外耳炎 [News]

●コッカー 12歳 ♀ 
それは、それれは、凄いにおいを発して来院されました・・・・
長期に渡り大きくなった腫瘤がはじけ、その摩擦と滲出液による周辺皮膚の慢性炎症が見られました。「近所の先生には、高齢なので、手術をすると死んでしまうよ!」と言われ、今日まで約2年間程放置してきた様です。早ければ早いほど、小さければ小さいほど外科手術の侵襲は少なくなります。手術前にしっかりと検査を行い安全を確認し、また、その検査で手術ができない状態であれば、速やかに改善策を検討して手術に臨むことが肝要です。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●慢性外耳炎
臭いの原因は、腫瘍の破裂と外耳炎が併発していることが分かりました・・・・。こちらも長期に渡り慢性炎症が続くことで、耳道の著しい増殖と慢性感染が発生していました。このようなケースの多くには、アレルギーが根底に潜んでいますので、アトピーあるいは食物アレルギーあるいはその両方が関与しているのかを、しっかりと鑑別して治療方針を立ち上げなければなりません。姑息的に対症療法をくりかえすだけでは、その治療薬による副反応で新たな病気を発生させることになります。全ての病気は「元から立たなきゃダメ!」なのです!

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●7日後
耳からの滲出液の培養結果は、緑膿菌でした。通常、ここで抗生剤を使用するのですが、当院の方針では使用を控えます。増殖病変のある環境では、たとえ培養検査でヒットした抗生剤を使用しても、再び感染が再燃します。また、アレルギーがベースにあると炎症が継続し感染がコントロールできず、軽減したとしても一時的になります。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●摘出腫瘤
首が軽くなり、動きも良くなりました。耳の治療は、漢方薬と鉱石の粉を点耳します。10日後の抜糸では、切除創はすごくきれいで、左右の外耳共に80%の改善が見られました。アレルギーに関しては食事アレルギーが疑われるため、特定の蛋白質に限定して開始しました。外耳は様子を見ながら摘出術を行うかどうか決めたいと思います。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●2週間後
特定蛋白を食べ2週間が経過しています。耳の匂いも大幅に減少し、赤みも少なくなってきました。炎症が取れても増殖病変が残りますので、外耳道切除術を行うかどうかが今度の課題です。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

関連タグ :

18時36分


ページのトップへ

  • お問い合わせ
  • スタッフ募集
  • 石崎動物病院の日々

検索

キーワードリスト

最近の記事

リンク集

powered by a-blog

[Login]