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2009年12月20日(日)
僧帽弁閉鎖不全症 [News]
僧帽弁閉鎖不全とは、老齢小型犬に多く発生し、進行すると循環不全により肺水腫などを起こし死に至る病気です。左側の心臓の弁が変性を起こし、弁が閉鎖時にしっかりと閉まらなくなり、逆流を生じます。この悪循環により心臓の拡張が進み、咳、肺水腫、失神などが起こります。診断には、聴診、胸部レントゲン、超音波検査があります。
<レントゲン>
この例は、軽い咳が見られるチワワです。右が上から、下が横からの撮影で、心臓、動静脈、肺野を観察し、重症度を判定します。
軽度の心拡大が見らえます。
<超音波>
●長軸断面
この部位で弁の動き、形、そしてカラードップラーを乗せて逆流の有無をまずは確認します。
●左室流出路断面
大動脈と左心房の大きさを比較し、左心房の大きさをを数字で表します。
●短軸腱索断面
左心室の収縮能力を数字で表します。
●四腔断面
左側の弁から漏れ出る逆流を検査します。
赤と青と緑と黄色が入り混じり(モザイク)のが逆流です。
間違いなくこのケースでは、進行の時間差はありますが、心不全へ移行していきます。
●逆流量の測定
逆流に計測器をのせて速度を測定します。
●流速量の測定
左心房から左心室に向かう血流の速度を測定します。
心室の拡張する能力を観察する検査です。
以上の検査から、心臓薬を処方し、定期的な検査により処方回数、処方薬の調整を行います。早期診断、早期処方により寿命が長くなるので、小型犬では、7歳以上の定期検診は必須です。
早い段階で正しい診断を行い、処方を始めることが大切です!
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14時55分