広島県呉市「石崎動物病院」

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2010年05月29日(土)

尿検査について [News]

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●尿検査の意義
この尿に血液が混ざっているのがわかりますか?しかし、黄色く見える尿でも、見た目では血尿が分からない事がしばしばあります。また、尿検査は、血液の混入だけではなく、泌尿器系(腎臓や膀胱など)の異常や代謝異常(例えば糖尿病)を発見する手掛かりとして大いに役立つ有益な検査です。
 

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●ストラバイト結晶
尿中のpHが高くなると認められます。少量であれば正常ですが、これが大量に認められると尿道閉塞を起こす原因になったり、大きな石が存在することがあります。また、血尿、膀胱炎を併発することもあります。

●蓚酸カルシュウム結晶

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尿中のPHが低くなると認められる結晶です。最近は、上記のストルバイト結晶を防ぐ食事が多くの会社から販売されています。その食事をいただくことにより、PHが低くなりすぎて、蓚酸カルシュウム結晶が頻発するようになってきました。正常でも少数は観察されますが、多量であれば治療が必要です。

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●ビリルビン結晶
犬では、濃い尿で観察されることがあるのですが、猫では濃い尿でも異常で、黄疸が出現している可能性があります。

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●顆粒円柱
細長いものが顆粒円柱です。腎臓の尿細管に炎症があると、その管に詰まった細胞の塊が尿中に出現します。腎臓障害を早期に発見したり、その出現する量により障害程度を把握することに役立ちます。尿比重を同時に測定することにより、腎臓の機能状態を知ることができます。

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●細菌と好中球
尿を3mlほど集めて遠心分離し、そこに集まった沈殿物を観察します。ツブツブと一面に散らばっているのは、細菌の塊です。また、右側に大ききく丸く見えるものは好中球です。細菌性膀胱炎では、この様な所見を認めることが多く、尿培養はかかせません。



●まとめ
この様に僅かな「尿」で多くの情報を入手することができます。また、普段から定期検査として手軽に行うことができ、体調管理、病気の早期発見にとっても有意義な検査です。
血液検査を大切に思われている飼主さんは多いのですが、尿検査の情報量の素晴らしさをもっと意識して定期的に行うことが大切です。


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07時08分


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