広島県呉市「石崎動物病院」

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犬の鼠経部嵌頓ヘルニア [News]

●ダックスフンド ♂ 12歳
「お腹の片側が膨らんで吐き気が止まらない。」と緊急で来院されました。明らかに鼠径部(股)が著しく腫れて異常を漂わせるに状態ありました。超音波検査では、皮下に腸管と液体貯留がみられました、触診での痛みはありません。緊急手術も想定して血液検査を合わせて行いました。

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●緊急手術
突然の嘔吐、片側下腹部の著しい腫れ、超音波所見から、鼠径部の穴(鼠経輪)から臓器が飛び出して戻らなくなった状況を仮診断して緊急手術をお勧めしました。かかりつけの獣医さんが居らっしゃるので迷われたのですが、一刻も早く手術することを強くお勧めしました。

●術後
夜の緊急手術でしたが、終わったのが12時前、それから目が覚めるのに長時間を要しました。血液検査における肝臓、腎臓パネルは異常なし、手術時間は中程度。血圧、心電図所見は良好、しかし、喉頭反射が出て気管チューブが抜けるまでまでが大変でした。監視しながら飼い主さんと一緒にその時を待ちましたが朝方6時になりました。数年に一度このような経験しますが流石に応えます。

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翌日、2日目と嘔吐が続き心配しましたが、3日目には見違えるように元気になりました、しっぽを振って迎えてくれる姿を見ると疲れが一気に吹っ飛びます。めでたしめでたし。

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猫の子宮脱 [News]

●野良子 雌 ?歳
主訴は「出産後お尻から何かが出て、グッタリしている。」でした。出産後間もない子猫5匹を一緒に連れて来院されました。野良ネコ出身なので随分と怯えています、胎盤が出ているものと想像していましたが、そっとお尻側を拝見するとそれは胎盤ではなく、見事に子宮が反転して出ている、つまり子宮脱だったのです。

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●反転した子宮
出産後に反転し時間が経過しているため、ずいぶんと傷んでいました。

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●血液検査
早速、反転した子宮を戻し縫合し、手術の準備のための血液検査を行いました。問題だったのは、子宮脱による血液量(PCV)の不足、たんぱく質の不足が顕著でした。最低20%の血液量が欲しいのですが12%。たんぱく質であるアルブミンは最低2.0mg/dlは欲しいのですが1.8mg/dl。体温36.4(正常38.5)度。これらの結果より緊急手術は延期することにしました。
手術を延期して、まずは状態を改善する計画と決めました。しかし、それからが大変でした。体温はさらに低下し、食欲は初日のみ、低たんぱくが進み胸水が貯留し呼吸困難を起こす日々が続きました。さらには、脱出を戻した子宮が感染する問題が生じました。
対応には、胸腔チューブを10日間留置し、鼻カテーテルから栄養補給を行い、丁寧に献身的に看護を行うことで状態が徐々に改善し警戒心も取れてリラックスできるようになりました。

●卵巣子宮摘出
入院から16日目にPCV26%、アルブミン2.4mg/dl、食欲旺盛、呼吸正常に復したため手術を行うことにしました。
一時期感染して子宮から膿が大量に排出されていましたが、摘出時には綺麗な状態(下写真)に復帰していました。

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●今日は抜糸の日
手術から10日目、抜糸に来院されました。生まれた5匹の子供達は3匹になっていましたが、出産後直ぐに親の代わりとなった飼い主さんは、大変良く頑張られました。

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我々を思い出してくれたのか、抜糸の際には笑顔で迎えてくれました。めでたし、めでたし,良かったね。


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犬の腸重積 [News]

●柴犬 14歳 ♂ ころ
血液一般検査では、蛋白質の低下、蛋白質の一種であるアルブミンの著しい低下のみが発見されました。低蛋白血症の原因は、@肝不全による蛋白合成不良A腎臓からの蛋白排出B食欲廃絶による蛋白摂取不足が考えられます。
よって、尿検査、エコー検査、レントゲン検査を行い原因追及にかかりました。

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●エコー検査
小腸領域を調べにかかって直ぐに、腸管の異常が見つかりました。所見は、重責に特徴的な所見で、腸に囲まれた中に腸がある、まさに重なった映像が得られました。身体検査を詳細にできず、発見できていなかったことに反省です。

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●腸重積とは?
腸重積とは、腸の中に腸が入り込んでしまう状態を言います。原因は、寄生虫、異物、腫瘍などですが、多くは1歳未満に見られ高齢での発生は稀です。高齢となると腫瘍が考えらえますが、肉眼的には腫瘍の発生を認めませんでした。念のために病理検査へ提出します。

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●摘出した小腸
ダメージの有った腸管の一部を切除しました。一日休んでから食事を開始します。長期経過の為に低下した体内たんぱく質を急ぎ補給する必要があります。

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●その後
入院7日目ですが、食欲は7割回復し蛋白質が徐々に上昇してきました。しかし、次に心臓の問題が控えています、心臓を早く落ち着かせて速やかな退院に向けて頑張ります!


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