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2011年06月14日(火)
犬の大腿骨骨折 [News]
●柴犬 ♀ 杏子 8歳
脱走して数日後に帰宅すると足を引きずっていたそうです。
とにかく神経質で、飼い主さんも触ることができません。噛みつき泣き叫ぶところを、申し訳ないのですが無理に把持して血液検査と聴診をして、安全を確認後、鎮静剤を投与しました。骨盤が折れていないことを祈ってレントゲンを撮影しました。
●手術
整形外科は、手術の中でも痛みの強い手術です。術前に硬膜外麻酔を施し、持続的に麻薬を投与しながら行います。手術の種類は、骨の中にピンを入れる方法、プレートとネジで固定する方法、皮膚の外からピンで串刺固定する方法がありますが、性格、環境を考えてプレート固定を選択しました。
骨は3か所に割れていました。中間に浮遊している骨を先ずネジで固定し、次に上下を合わせてプレートで固定しました。
●術後
術後は、痛みの管理を継続するために、麻薬のシールを貼ったり、あるいは、持続的に麻薬を血管から流します。
また、腫れを防止するためにロバートジョーンズ包帯を施しました。3日後にはずしますが、決して大人しくしてくれないことが想像されますので、麻酔が必要になりそうです。
●手術器具
整形外科は、たくさんの機材が必要になります。プレートを装着するための、ドリル、ドリルガイド、プレート、プレートの形を整えるベンダー、各種長さのネジ、ネジ穴の長さを図るゲージ、骨を固定する各種鉗子などなど。手術後の後片付はとても大変になります。「看護婦さんご苦労様!」
私は、20年前にアメリカでこの手術の実習を指導いただき、そして機材一式を購入しました。今は、進化したプレートが出てきていますが、基本は昔も今も変わりません。
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09時18分