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歯科治療にレントゲン撮影が必須の訳 [News]
●歯科治療
当院での歯科治療の手順は以下です。
@歯垢、歯石除去と消毒
*通常超音波スケーラーを使用します。
Aレントゲン撮影
*全ての歯のレントゲンを撮影します。
B探子などを使い歯・歯肉の状態検査
*ポケット、歯肉、動揺、エナメル、露髄の観察を行います。
C抜歯、歯肉フラップ、修復
D消毒、洗浄、写真撮影
●レントゲン撮影その1
歯を支える骨(歯槽骨)の吸収、および歯茎が後退し歯根が露出していることが分かります。
このケースの歯肉の後退は肉眼で観察できる事項ですが、以下は異なります。
●レントゲン撮影その2
歯根部に感染(根尖部)が発見されました。
外観は歯茎も健在、動きもなく、エナメルの状態も至って綺麗ですが、レントゲンを撮影すると歯の根の部分における感染(黄色⇒)が疑われる所見が見られます。
ということで、歯の治療にはレントゲン撮影は不可欠で、予後、治療方針にとって重要な位置づけとなります。
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犬の歯肉増殖 [News]
●紀州犬 18歳 ♂ 龍
6歳ごろから、歯肉炎から歯肉増殖(過形成)が始まりました。
今回で4度目の手術になります。
非協力的(凶暴)で口の中を見せてもらえず、自ら口を開けた際にちらっと見ることでしか観察できませんでした。
高齢(18歳)であることも考慮して手術を延期してきましたが、食事がしにくい「何とかしてくれ!」とリクエストいただきました。
術前の血液検査と麻酔薬の選択を行い、慎重に事を進めました。
●歯石
歯石は中程度の付着です。
なにより歯肉増殖が著しく、歯を乗り越える勢いです。
●特に著しい増殖
特に下顎の前臼歯部分の歯肉の増殖が著しく、歯を外側に圧迫するため、食事が食べにくく、時に出血がみられました。
残念ながらこの歯肉増殖処置は、現在のところ増殖部分の切除を繰り返すしかありません。
●最後の処置???
これで4度目の処置になりましたが、年齢は既に18歳です。
年齢と現在の情報を鑑みて広範囲の歯肉切除と抜歯を行いました。
残ったのは左右の犬歯とわずかな門歯(前歯)になりました。
●予後
多くの歯の抜歯と侵襲的な歯肉切除を行いましたが、
3日後には、飼い主さんから嬉しいご報告をいただきました!
「すごく調子が良いよ〜」と。
食欲も旺盛、口も全く気にする様子無し、
もっと早くしてあげれば良かったね!
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犬の犬歯抜歯後の再被覆術 [News]
●ダックスフンド 10歳 ♀
「数か月前、歯石除去の際に抜歯を行い、口腔粘膜による被覆術(フラップ)を行ってもらい、しばらくは良かったのですが、どうも穴が開いているようです?」という主訴で来院されました。右上顎犬歯部は、窪みがあり拡大鏡で観察すると小さな穴が開いているのが分かりました。
●再手術
残念ながら、この状態を観察していても穴が塞がらないことをお伝し、当方で再手術をさせて頂くことにしました。2度目の手術ですので、短くなっている口峡粘膜をカバーするために大きめの切開が必要になります。
●縫合
口唇粘膜と硬口蓋の高さを合わせて丁寧に縫合しました。
●左側犬歯部分は、はっきりとわかる穴が開いていました。右側同様の処置を行いました。
●縫合は血行確保のために術後の組織短縮による牽引を見込んで大きめの被覆弁を形成し、硬口蓋粘膜と口唇粘膜の高さを合わせて被覆弁を丁寧にあつかい縫合する必要があります。ちなみに、穴を放置していると食べ物が鼻に入り、クシャミ、慢性鼻炎を発生することになりますので、積極的に被覆することをお勧めします。