院長ブログ
お友達を粗末にしていませんか!? [院長ブログ]
私は、学生の頃ラグビーをやっていました。
当時は、芝生のグランドなど存在していませんから、固い土の上での練習では、生傷が絶えませんでした。そして、毎晩、風呂上りにその傷口に薬を塗り込みながら、「いた、いた、痛〜。」「フーフー。」「ぎゃーぎゃー。」と、叫びながらの消毒処置を、今でも鮮明に思い出します。
当時の処置内容は、ヨーチンあるいは赤チン(赤チンは途中から水銀が含まれるので製造中止)をつけて、すぐにウチワで扇ぎ、傷を乾燥させることでした。傷には、「ヨーチン、赤チン」が合言葉で、その後、傷を乾燥させて早くかさぶたを作るという概念でありました。
数年前からは、傷には消毒薬、抗生物質をできる限り使用せず、湿潤状態にして治癒させることが正しい方法と言われるようになりました。なざならば、その消毒薬は皮下組織にダメージを与え、よけいに治癒を遅らせてしまうからです。今、考えてみれば子供の頃の消毒の痛みは、体が傷ついているサインだったんですね。
そうそう、それから「うがい」についても同じです。以前は、イソジンでうがいを繰り返し、風邪の予防を勧められていましたが、頻回にうがいを繰り返すことで、正常細菌叢を失い、カビが繁殖したりします。(しかし、風邪の初期のみは、ウイルスを殺菌するために良いようです。)
正常細菌叢とは、皮膚、口の中、腸に存在する細菌のグループのことです。また、その細菌のグループは良い物、悪い物と存在し、そのバランスは、上手い具合に調整されています。そして、バランスを保ちながら、他の菌の進入を防いでいるのです。それから、腸の細菌は、免疫にも関与しています。ですから、バランスが崩れると、皮膚、口では感染症、腸では下痢が起こります。
簡単に言えば、我々は細菌と共生しているのであって、けっして細菌を悪者と過剰に反応する必要はないのです。むしろ「お友達として大切にすべきなのです。」一時期流行った抗菌グッツなどは、ナンセンスであり、菌を殺すほどの化学物質が含まれる訳ですから、逆に恐ろしくさえあるのです。
傷治療に関する結論は、消毒薬、抗生物質をできるだけ使用せずに、傷を湿らせて、上皮再生を促し、自己修復力を応援することなのです。
自分の体に存在するお友達を大切に気づかって、自ら傷つけ、むやみに排除ることなく、自己免疫力を低下させないように意識する必要があるのです。
院長 石崎俊史
口腔内腫瘍に注意! [院長ブログ]
まずは、気持ちの悪い写真で恐縮です。口の中の上顎の写真です。
大切なことですので、ご理解ください。
皮膚にある腫瘍であれば、多くの飼い主さんは、気付くことができます。しかし、口の中の腫瘍の発見は、「口が臭い、血のヨダレが出る、飲み水が汚れる、食欲がない」などの症状が出ないと気づきません。
常日頃、このホームページにある自宅で出来る身体検査を参照いただき、定期的に口の中を検査する習慣を身につけましょう!
●パグ 11歳 ♂
●主症状 最近、息苦しい、夜眠れない
●洋猫 11歳 ♀
●主症状 元気、食欲がない
口腔内腫瘍は、大掛かりな切除(歯と顎の骨を含めて)になりますが、早期発見で、転移がなければ、予後は良好です。おかしな膨らみを見つけたら、直ぐに病院へ!
猫ちゃんの基底膜障害+角膜壊死症。 [院長ブログ]
いつまでも「しょぼしょぼ眼が治らない」との主訴で来院されました。検査後、基底膜障害と角膜壊死症と診断されました。血管新生が見られましたので、慢性と思われます。
角膜は4層あるのですが、一番上の上皮とその下の基底膜との接着が不十分で、上皮が形成されても地盤がゆるいために、再びブレイクして潰瘍が完治できない病気です。通常、角膜潰瘍は1週間ほどで治りますが、この基底膜障害の特徴は、いつまでも「しょぼしょぼ」していたり、「パッチリ眼が開く良い時としょぼしょぼの悪い時」を繰り返すことです。
高齢の柴犬に多いのですが、猫ちゃんでも時々見られます。
●治療
今回は、2つの病気が重なりました。
基底膜障害は、角膜切開を、角膜壊死は角膜表層切除をそれぞれ行いました。その次に、第3眼瞼をかぶせて終了しました。2週間後に抜糸を行うと、角膜潰瘍は無事修復され、血管新生も消失していました。めでたし、めでたし!
眼の中央に茶色い壊死部分、
そして、その周囲に角膜潰瘍が
みられます。
眼の病気も色々と存在します。上記の角膜潰瘍、その他の結膜炎、ぶどう膜炎、脈絡膜炎、強膜炎、緑内障など多数存在します。
「しょぼしょぼ」あるいは「まぶしそう」な眼を見たら速やかに受診されることをお勧めします。





