院長ブログ
外耳炎の原因 [院長ブログ]
今回は、頻度の高い外耳炎についてお話します。
外耳炎とは、耳介、耳道に炎症がおこる状態を言います。
原因は、細菌感染、酵母感染、ダニ感染、腫瘤などがあります。
一番多いのが、酵母感染です。
この酵母感染は、アレルギー(アトピー)が基礎疾患として関わっていることがほとんどで、アレルギーを管理しなければ、上手くいきません。
いつまでも治らないと言うことで、点耳をしつづけることで、耐性菌の問題が生じることもあります。
アトピーが関連している場合には、食事を変更して、体質改善をご指導しています。(陰陽食事療法)
鼓膜が破れて、中耳まで炎症と耳垢の堆積が生じている例では、洗浄、あるいは、手術をしないと解決しない場合が多く存在します。
耳の状況を、しっかりと把握するためには、耳鏡検査は欠かせません。
状況を把握し、頑固な垢を取り去り、重度に耳道が腫れあがるっている場合には、耳道に直接注射を射つ場合があります。
耳鏡検査とは、拡大鏡に光源をつけたものを、耳道に挿入し、状況観察、洗浄、異物除去、腫瘤検査の為の組織採取、レーザーによる腫瘍除去などができ、とても有用で、人間の耳鼻科と同じく、必需品です。
根本的な原因を考慮しましょう! [院長ブログ]
●ヒナちゃん 10ヵ月 ♀
マルチーズとチワワのMix
下のレントゲンを良く見てください。
少し見にくいですが、横行結腸、下行結腸(大腸)に白く細かい塊が
見えませんか???
実は、飼い主さんが、帰宅してみると、部屋の電気コードが30cm程無くなっていることに
気づきました。
「もしかして、食べたんじゃないか?これは、大変!」と慌てて来院され、撮影したレントゲン写真です。
幸いにも既に、便となって排出されるところで一安心。
詳しくお話を伺うと、最近、飼い主さんが忙しくてヒナちゃんに構ってあげられず、出かけると必ずイタズラをするようになっていたそうです。
ここで、大切なことは、「大事に至らなくてよかったね〜。」で終わるのではなく、どうして、この様な行為をするようになってしまったのか?を探らなければいけません。
●横向きのレントゲン写真
真中に、銅線の塊が見えます。
(クリックすると大きく見えます)
●仰向けのレントゲン写真
背骨の上方に、同じく銅線の塊が見えます。
(クリックすると大きく見えます)
ということで、分離不安症(飼い主に依存が強いため、離れると、異常行動を起こしてしまう病気)の治療を始めました。今回は、西洋医学の薬ではなく、心を改善するフラワーバッチを処方しました。
単に「吐く」と言う症状に、吐き気止め、制酸剤を投与すれば、症状は治まることがあります。しかし、もし、根本に心の問題、例えば、「飼い主がイライラしているor夫婦喧嘩が続くor新しい仲間が増えるなどなど」の原因で嘔吐してしまう場合もあるので、この点を考察しなければなりません。
病気は、心が作るとも言われます。どうぞ、皆さん症状にとらわれることなく、根本原因を見つめてみることを忘れないでください!
短頭種気道症候群について [院長ブログ]
お仲間紹介の「サンシャイン・ロクちゃん」で、この話題を出しましたが、皆さん、どうも軽く考えていらっしゃる様ですので、今回は、短頭種気道症候群について、少し詳しくお話します。
シーズー、パグ、フレンチブルドック、ボストンテリア、ペルシャ、ヒマラヤン猫などの鼻の短い種類を短頭種と言います。これらの動物は、鼻の孔が生まれつき狭い、あるいは、ノドちんこが先天的に長い状態が、しばしばみられます。その状況を放置していると、気道の抵抗が上昇し、息を吸うときに陰圧が高まり、ノドちんこを引き伸ばし、ノドちんこが伸びると、さらに気道抵抗が上昇し、喉にある小さな袋が反転し、さらに、陰圧が高まり、喉の軟骨が引っ張られ、最終的に喉の軟骨が虚脱して呼吸困難に陥ります。
●鼻腔狭窄
鼻の穴が狭くなっています。
レーザーあるいはメスで鼻の穴を大きくします。
鼻の奥まで広げることがポイントです。
●軟口蓋過長
喉チンコが長くなっています。
吸気時に長い喉チンコが振動して大きな音を発します。
甲状軟骨部と接する部分で余分な粘膜を切断します。
●小嚢外反
喉の奥に存在する喉頭小嚢が外へ反転します。
まずは、鼻腔狭窄、軟口蓋過長の手術を行います。
それでも、もとに戻らなければ、小嚢を切除します。
●喉頭虚脱
喉頭が虚脱状態になり、開閉できない状態です。
ここまで、進行すると重症です、まともに呼吸ができないため、とても苦しい状態です。
まずは、鼻腔狭窄、軟口蓋過長の手術を行います。
それでも、治らなければ永久気管切開術を行います。
飼い主さんへ!
以下の項目をチェックしてみてください!
●まずは、鼻の孔をのぞいてみてください。
ちゃんと穴があいていますか?
ふさがって、線状になっていませんか?
●次に呼吸音に耳を傾けてください。
吸気時に、喉から音が出ていませんか?
いびきをかいていませんか?(★いびきは病気ですよ〜!)
口をあけたまま、音がでれば、それは異常です!
●運動をさせた時に観察してください。
大きな音をたてて呼吸していませんか?
呼吸が浅くなり、苦しそうにしていませんか?
舌の色は悪くないですか?
●ご飯を食べる、水を飲む時の変化を見てください。
苦しそうにしませんか?
むせるような仕草はありませんか?
●進行すると食道炎が発生します。
原因不明の嘔吐はありませんか?
●陰圧が高まり心肥大、肺水腫、裂孔ヘルニアも発生します。
この種の病気を持つ動物は、同時に気管の低形成を伴う場合があります。これは、胸部レントゲン写真で診断できます。この病気を持つと、肺に食べ物が誤って入って肺炎を起こしやすくなります。残念ながら、気管低形成の改善手術はありません。
気管低形成がない場合には、早い段階で処置を行えば怖くない病気です。
鼻の短い動物を持つ飼い主さんは、是非とも真剣に受け止めて、ご相談ください。











