院長ブログ
突然、頬が腫れました! [院長ブログ]
パピヨン ♂ 6歳
「突然眼の下が腫れてきた!」と来院されました。
一見、眼の問題の様に見えますが、老齢犬で良く発生するこの原因は、歯の根っこ先端部分が感染し、膿がたまる病気です。
多くは、歯石がたっぷりとついていますが、なかには、歯は奇麗だが根の部分のみに感染が発生するケースもあります。
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左眼の下が腫れています。
治療法は、抜歯です。
根冠治療もありますが、ほとんどのケースで抜歯になります。
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左側2本の根は、奥まで歯石が入り込み、1本の根でのみ付着していました。歯石が入り込んで根の先で膿瘍を形成して、上の写真のように眼の下が腫れてしまいました。
予防は、歯石をつけないことです。
また、着いてしまった場合には、早期に歯石を除去して、根の部分に歯石を侵入させなことが肝要です。
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まんべんなく、歯石が付着しています。
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問題の第4前臼歯です。
周囲の歯にも、多くの歯石が見られます。
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歯にかぶさる歯石を除去すると、根まで歯石が侵入しているのが分かります。(黒い部分)
通常、2〜3mm程度しか、歯肉のスペースはありません。
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しかし、プローブ(探子)が奥までしっかりと入り込んでしまいます。(約2cm)
つまり、歯茎と骨膜の接触がなくなり、奥まで歯石が侵入してスペースが拡大し、先端の膿瘍とつながっていることが分かります。
ということで、歯石が付きにくい生活(生肉を食べる)と定期的な歯の検診を行い、早期ケアーを行うことがこの病気の予防につながります。(11月〜3月が当院、歯石クリーン推進月間)
いつまでも、白い歯を残せるように頑張りましょう!
涙管洗浄について [院長ブログ]
●鼻涙管閉塞をご存知ですか?
余剰な涙は、上下の瞼の内側の涙点という穴から鼻涙管を通って鼻、あるいは口の中へ排出されます。
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上の瞼の涙点から、細〜い、閉塞物が糸を引くように見えます。
●症状
その排泄路の閉塞があると、涙焼け(余剰な涙が溢れて眼の内側の毛が変色)が起こります。
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同じく、下の涙点から、閉塞物が見えます。
●治療
多くが分泌物で閉塞していますので、涙点から排泄路を洗浄します。まれに先天的、あるいは、猫ちゃんの風邪の経験から涙点が無い場合があります。この場合は、治療の手段がありませんが、まれです。
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洗浄により、明らかに太い弾力性のある閉塞物が、鼻から排出しています。
処置には、軽い鎮静、あるいは、全身麻酔を行います。眼に点眼麻酔を施して行う方法もありますが、しっかりと観察、洗浄できないので、お勧めしません。
「涙焼け」に気がついたら、検査は、無麻酔で簡単にできますので、気楽に受けてください。
彼らの、優しさに感動・感謝! [院長ブログ]
11月10日 月曜日 23時50分。
あるお店の天井裏にネズミ用の粘着式捕獲箱に、身動きができなくなった子猫がいたそうです。
そして、たまたま食事の為に、偶然居合わせ若者4名は、誰も救出せず放置した状況を見るに見かねて、噛まれながらも天井裏から野良猫を救出し、病院に搬送したのでした。
身体に強力な粘着力を持つ紙が貼り付き、身動きできない状態になっていました。
5日間飲まず、食わずでしたが、眼は生き生きとしていて、勢いよく缶詰に食らいつきます。水も補給しました。野良猫出身と恐怖から、うかつに手は出せません。
翌日、麻酔をかけて処置を行いました。
所要時間約3時間、ほぼ全身に憎らしい程貼り付いていた粘着物を剥がす事に成功!
翌々日に、無事に退院することができました。
すぐに、飼い主も決まり、小さな命が救出、救命されました。
若者4人の心温まる行為に感動、感謝です。
●粘着を取るのに必死で、カメラ撮影できませんでした。
近日中に、元気になった、その「粘着猫ちゃん」の写真を載せる予定です。お楽しみに!









