院長ブログ
抗体検査の報告書 [院長ブログ]
この度、当院では、3年間に渡り、毎年、犬約600頭、猫約120頭の抗体検査を行いました。この検査を始めたきっかけは、「人では、毎年ワクチン接種をしていない!」また「アメリカの州によっては、3年に1回接種である。」そして「アメリカの自然派獣医師団体は、ワクチンを射つことで病気の発生をまねくので射つべきでない!とまで訴えている」などの疑問からでした。
以下が調査した項目と結果です。
●検査内容
犬は、@ジステンパー Aパルボ
猫は、@ヘルペス Aカリシ B猫伝染性腸炎
それぞれで、以上のいづれかが引っ掛かった場合を接種必要としました。
●平成18年は、犬では、ワクチン接種が65%で不要でした。
猫では、71%で不要でした。
●平成19年は、犬では、同じく65%。猫では、71%がワクチン不要でした。
●平成20年、犬では、さらに同じく65%で不要。
猫では58%不要でした。
●結論
犬、猫共に、おおよそ6割でワクチン接種が不要でした。
検査例の中には、3年間接種不要のケースもあり、毎年の過剰接種を避けるためにも、抗体検査確認後、ワクチンの再接種を検討することが、体に優しい良い方法だと分かりました。
つまり「6割以上で、ワクチンは、毎年射つ必要がない!」しかし「個体差があるので、個々に抗体検査で調べる必要がある!」と結論づけられました。
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江田島高校のアイドル「タマちゃん」 [院長ブログ]
3月10日 朝一番
●緊急事態発生!虚脱、血圧低下、起立不能・・・。
江田島高校のアイドル「タマちゃん」が運びこまれました!
どうやら、交通事故らしくショック状態です。
急ぎ、血管確保を行い低血圧を改善します・・・。
血圧が戻り、少し落ち着いたところで、レントゲン撮影を行いました。
●骨盤骨折と心臓の形の異常を発見しました。
心臓は、心筋が厚く感じましたが、回復を待って再度検査する予定にしています。
骨盤は@仙腸関節脱臼 A恥骨結合骨折 B坐骨骨折でした。
●血液検査の結果は・・・。
貧血、白血球増加、高血糖、低アルブミン血症。
血液塗抹では、血液の寄生虫であるヘモバルトネラを発見、再生像は、盛んにあるので、この貧血は以前からの可能性あり。
●3月12日 雨
なんとか危険状態から脱した「タマ」ちゃんは、食欲がだんだんと出てきました。
まだまだ、問題点はたくさんありますが、まずは一安心。
皆のアイドルだけに、愛想が良く、直に病院の環境になじみました。
<タマの履歴>
昨年9月頃から、江田島高校に登場。
4人の先生で、とりあえず「タマ」と命名したが、本当は無名。
毎朝、学生さんを先生と一緒になって迎えるのが日課です。
いつも、頭を撫でてもらうために、下駄箱の上に居るそうな。
●3月14日 くもり
タマちゃんの食欲は、ほぼ通常通りになりました。
しかし、手術ができるまでの血液量には至りません。
もう少し、状態を良くしてから骨折の手術を行う予定です。
「みんな〜暫く待っててね〜!」
シャリホツちゃん、その後・・・(その1)。 [院長ブログ]
●3月4日(水)晴れ
前回登場してシャリホツちゃんの脾臓の腫瘍摘出と不妊手術のための手術当日です。
前回は、心臓のフィラリアの虫体は、相変わらずいたのですが、循環動態に影響がないようなので、今回は、上記の手術のみを行う予定でした。
しかし・・・血液検査をしてみると、前回は正常ギリギリの値でしたが、今回は、さらに貧血が進み、正常範囲を下回っていました。尿検査を行うと、鮮血(2+)。溶血、黄疸がなかったこと、また、食欲元気ともに正常なことから、安心していましたが、急遽、手術を変更してフィラリア虫体を摘出する手術に切り替えました。
●これが、左心房から摘出したフィラリア虫です。雄3匹、雌2匹の総計5匹です。
ちなみに、メスの方が太くて長くて約30cm、雄は約10cm、細く短く、尾部がコイル状になって、これでメスを抱きかかえますorすがりつきます。人の世界と同じくメスの方が生命力があり、勢いを感じます(笑)。
無事に手術が終了し、2時間後に帰宅。
脾臓の腫瘍と不妊手術は後日になりましたので、次回ご報告します。











