院長ブログ
いや〜私、本当に腹切るところだったんですヨ。 [院長ブログ]
●ララ 2歳 ♀ ワイヤーフォックステリア
●3月24日
「犬用の鳥の形をしたゴム様の玩具を食いちぎって食べた!」と連絡が入る。
翌朝、1回吐いたが、その中にちぎれた残骸が2つ出た。食欲元気あり。
●3月25日
今日は、便の中にちぎれた足が出てきた。
元気食欲あり。嘔吐なし。
●3月27日
朝8時 昨日食べた食事が未消化のまま嘔吐。
朝8時30分 玩具の残骸出る。
朝9時30分 玩具の残骸出る。
玩具の胴体部分は、未だ不明。
・・・という病歴で3月27日の午後に当院に来院されました。
■病院にて
元気あり、腹部痛なし。食欲あり。午後は嘔吐なし。
嘔吐が続けば、超音波、バリウム造影、内視鏡検査へ進むこともお伝えし、食事療法にてまずは様子を見ていただくことにしました。
●3月28日
昨日、帰宅時に車の中で3回嘔吐。
午後5時20分 液体嘔吐。
午後8時 黄色い液体を嘔吐。目を閉じて痛そう。
午後9時 黄色い液体を嘔吐。しっぽ丸めて震え。
●3月29日
朝 じゅうたんに大量に吐いている液体を見つける。
元気、食欲なし。
■病院にて
触診、血液検査にて異常なし。
しかし、エコー検査にて、液体貯留像と異物?像が気にかかるので、バリウム造影を行いました。
午後からの造影でしたので、夜までの検査では、特に異物の影なし。
明朝、最終レントゲンを撮影する計画としました。
上は、超音波検査による、気にかかる胃内像。
嘔吐を促し胃内異物を排出させることも考えましたが、腸管での閉塞の可能性を
考慮して、バリウム造影を行いました。
下は、バリュウム造影開始。その後時間経過ごとに写真を撮影しました。
■病院にて入院
3月30日 朝
バリウム投与後から、嘔吐なし。いたって元気。
朝のレントゲンでは、胃にバリュウム残存なし、しかし、結腸一部に糸状の影像あり???
間もなく・・・「ででで、出た!」
ついに、トップの写真の鳥の玩具が便と一緒に出ました。
めでたし、めでたし!
しかし、150円の玩具が、ずいぶんと高い物になってしまいました!プラス思考で思えば、内視鏡処置、外科処置まで進まなくて良かったですね〜。
●アドバイス
いや〜。とにもかくにも良かった、良かった!
腸の2倍もある玩具が無事に出てよかったね。
これに懲りて、玩具は手作りのササミの燻製に変更して、犬用の玩具は、二度と与えないように気をつけましょう!
皆さ〜ん。
他人事ではありませんよ。玩具は、化学物質を多量に含んでもいますし、今回のようなことが生じます。余計な物は、与えないように注意しましょう!
江田島高校の「タマちゃん」その後・・・ その2 [院長ブログ]
●江田島タマちゃん関係者の皆様へ
先般、ご報告のとおり、貧血が解消された「タマ」ちゃんは、待ちわびた、骨盤骨折整復術を行いました。
以下、詳細です。
●手術前の準備です。
十分な毛刈り、そして、これから硬膜外麻酔に入ります。
●手術開始
脱臼後、一ヶ月が経過していますので、組織が絡んで少し大変でした。
脱臼した関節に、ネジとピンを通して固定します。
●整形外科の手術は、色々な機材を準備するので大変です。
●今回使用した主たる機材です。
*整形外科用ドリル
*骨鉗子
*ネジ回し
*ネジなど
●手術前と、今回の手術後の写真です。
脱臼した関節を整復することで、骨折していた他の2箇所がほぼ正しい位置に戻り、骨盤が元の長方形の形になりました。
良かったね〜。
●手術も無事終わり、術後の回復も順調で、食欲もあり。
しかし、しばらくは安静にしなければなりません。
写真以上に、くつろいで、愛想を振りまいてくれるタマちゃんです。
「学校の皆〜。元気にしてるよ〜!」
「たまには、タマを見に面会に来てね〜!」
皆のアイドル タマより
シャリホツちゃんのその後・・・ その3 [院長ブログ]
●3月21日 土曜日 晴れ
シャリホツちゃんの残された問題を解決する日がやってきました。
本日の予定は、@脾臓摘出 A卵巣、子宮摘出 B腎臓生検 C歯石除去です D皮膚腫瘤2箇所。人間では、全て一緒に行う事は、まずしませんが、シャリホツちゃんの健康状態、飼い主さんのご都合(竹原と遠方)と合わせて考えた結果です。
前回、フィラリアの虫体を摘出後、心雑音も消え、元気も出ています。
血液検査でも異常値が全て正常に戻り、貧血も改善されています。よって、今日は、前回より安心して手術が行えそうです。
@摘出した脾臓です。
前回、超音波で発見したものです。
組織検査で悪性、良性と鑑別します。結果は、約10日後です。
A摘出後の卵巣と子宮です。
卵巣が大きく、子宮の腫大もありました。
B腎臓生検
尿中蛋白が継続して出ていましたので、一緒に腎臓の組織検査を行いました。結果は、約10日後です。右は、腎臓生検に用いた、バイオプシーガンです。下の針を装着してスプリングを引っ張り、ボタンを押して、その勢いで組織を採取する装置です。
C歯石処置前
そこそこ歯石が付着していました。
C歯石処置後
残念ながら、臼歯は歯肉がずいぶんと後退し、歯根が見えます。しかし、もうしばらくは、頑張ってもらいたいと思います。
<シャリホツとモクレン紹介>
年齢不明。この二人、幸運にも、2か月前に、2匹一緒に引き取ってもらいました。引き取ったものの、色々と問題満載で大変です。しかし、優しい飼い主さんに巡り合えて、二人とも、一つ一つ問題解決に向けて頑張っています。
●性格
<シャリホツ>のんびり、おっとりで、日なたぼっこが大好きです!
<モクレン>大人しい
●エピソード
<シャリホツ>おっとりしているのに、人が来るといつまでも吠え続ける。
<モクレン>大人しくて、部屋では、じっと動かずに隅にいて暗めなのに、外に出たとたんに馬車馬の様にダッシュ!
お釈迦様の1番弟子と2番弟子の名前が「シャリホツ」と「モクレン」だそうです。その2人がとても仲良しだったからと、以前の里親さんが名付けられたそうです。
●飼い主から一言
当家に来て2か月が経ちました。最近やっと馴れて、膝の上に飛び乗ってくれるようになり、嬉しく思います。
今まで、繁殖犬として長い間ずっとずっと苦労してきたと思います。
この度、石崎動物病院とご縁があったお陰で、沢山の病気を見つけて、そして、治してもらい感謝しています。
これからは、我々家族みんなと楽しく、幸せに暮らして欲しいと願っています。せっかく助けてもらった命なので、しっかりと長生きしてください!
●動物病院から一言
飼い主になったとたんに、次から次と問題が発見され、大変でしたね。まずは、心臓の虫の摘出から始まり、今回の手術と大きな内容が続きました。後は病理検査待ちですが、良い結果を期待しています。
本日、抜糸が終了し、元気そうな二人を見て、スタッフ一同、幸せな気分になりました。
飼い主さんの愛情に包まれて、幸せな余生であることをお祈り申し上げます。
スタッフ一同
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「でき物」と思いきや・・・。 [院長ブログ]
●雑種猫 トラジー ♂ 去勢済み 年齢約11歳
手術歴は、犬にかまれて腹壁ヘルニアの手術、糸を飲み込んで開腹手術と大きな手術を2回経験しています。
今回は「2か月前から、どうも足の着き方がおかしい!?」と来院されました。
とてもおとなしく、診察しやすい子です。
「あれ!?」足の裏に僅かなシコリが発見されました。
レントゲン検査では、骨に異常なし、僅かに軟部組織に腫れが発見されたのみでした。また、軽度に神経学的異常を認めました。(やっぱり、少しおかしい・・・?)
その腫れた部分を穿刺して細胞を調べてみるも、結合組織と思われる細胞のみで腫瘍らしき変化はありませんでした。
そうそう、その腫れを軽くたたくと、痛がるのか?足を引きます。
腫瘍だとこの反応は無いし〜???
●試験的切開
かなりお待たせするのを気にしながら、詳細に検査を続けました、しかし、なんともはっきりしないので、お許しを得て、試験切開へと進みました。塊を慎重に剥がしていくと・・・な、な、なんと!
足の裏側の腱が根こそぎ切断されているのが発見されたのでした。
腱をつないで、足先を固定し、鎮痛処置をバッチリ。固定は約6週間続きます。我慢、我慢。
トラジー君、7日後のバンテージ交換にも、上機嫌で快く応じてもらえました。
これで手術は3回目!
「トラジー、もう年なのだから、これを最後にしょうね!」























