News
運(糞)が良かったのか、悪かったのか? [News]
●ココア ♀ 3歳 ウサギ
5日前から、元気がなく、食欲も落ちてきた。
ずっと寝ていることが多い。
痩せてきた気がする。
・・・との病歴でした。
●ウサちゃんは、、胃の停滞、イレウス、とがった奥歯が、舌を傷つけて食欲がなくなることが多いのですが、どうも今回は、違うようです。
●身体検査を進めると・・・あらら、お尻にこんな大きな糞塊がありました!
●これは、便が長期に渡り化石の様に堆積していたことが想像されます。
皮膚を切らないように、慎重に鋏をつかって、糞塊を除去しました。切除した皮膚は、著しい炎症と肛門周囲に感染が発生していました。
●爪も伸び放題。
飼い主さんは、もっともっと動物の体を頭から肛門まで、触ったり、見たりしなければいけないことが分かります。食欲がなくなるまで、気づけないことが残念です。
しかし、今回のケース、決して珍しくないのです!
●糞塊と伸びた爪の残骸。
●7日後の状態です。
炎症もなくなり、感染もほぼ落ち着きました。
●運(糞)が良かったのか、悪かったのか?
2週間目の写真です。すっかり良くなりました!
この度、糞(運)が着くことで、大変な状態になりましたが、処置後すぐに食欲がでて、14日後には患部もほぼ治りました。大変な目にあいまいたが、ご来院されたことで、肛門周囲が治っただけでなく、伸びきった爪も切ってもらえたし、今までの食事内容の間違いを改善できたしで、将来につながりました。
”やっぱり糞(運)が良かった良かった!”
え〜、まいど馬鹿馬鹿しいお笑いを・・・座布団犬「ロコ」 [News]
17歳大将、ようやく手術を決心しました!「年寄物語」その4 [News]
「年寄り物語」その4
大将 柴 ♂ 17歳
●ヒストリー。
数年前に左口唇に「小さなできもの」で来院されました。積極的に手術をお勧めしましたが、つい、つい、年だからと様子を見てしまったようです。
最近、「できもの」が大きくなり、痒く、そして、匂いも発するのでようやく手術を決心されました。
●育ち過ぎた腫瘍。
1cm程の小さな「できもの」は、時間経過に伴い、ずいぶんと大きくなってしまいました。「できもの」から1cm以上の切除部分を取り、口腔粘膜をも含めて大きく切除しました。
糸が結んである方が、頭側です。
完全切除がなされているか、各部位で病理検査を行います。
●切除後、そして、縫合後直後。
胸のレントゲン写真は、転移像がなく一安心でした。しかし、下顎のリンパ節が腫大していたため、細胞診検査を行い後、転移所見が怪しい状況でしたので、同時切除を行いました。
●10日後の抜糸写真。
口腔粘膜も大幅に切除しましたので、若干歯が唇から飛び出してしまいました。いたしかたありません。
●おまえもか!
先頭の写真にあるように、左耳のただれは、この耳道内に発生した「できもの」が原因でした。
ここにも「できもの」がおりました!
●細胞診後、レーザーで除去。
耳道に広がる、約3cmの「できもの」でした。
●10日目の抜糸、無事終了。
攻撃的な性格ゆえ、飼い主さんも遠慮があり、以前からの皮膚のケアーも十分にできず今日まで経過してしまいました。そして、今回の「できもの」が発生し、同じように様子を見過ぎてしまったようです。
手術前の血液検査では、全く異常が見つからず、もっと、もっと早くに手術、その他処置を思い切って決心いただければと・・・残念に思います。
”気がついたときが旬”であることを忘れずに!
●本日、病理検査報告が届く。
内容は、悪性である扁平上皮癌でした。
幸い、完全切除が成功し、さらに幸運にも血管への腫瘍細胞浸潤は見られませんでした。一緒に切除したリンパ節への転移もなくホットしています。口腔内扁平上皮癌と比較して、皮膚における扁平上皮癌は、転移が少ないと言われてますので、油断はできませんが、これで一安心です。
これを乗り越えて、20歳を目指して頑張ろう!