広島県呉市「石崎動物病院」

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腎臓結石と腎膿瘍 [News]

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●腎臓結石
以前に腎臓結石の診断がついていたそうです。7日前にお電話いただきましたが、本日ようやくお会いすることができました。一目で悪い状態は分かりました。既に体温低下、血圧低下。急ぎショックの治療を試みることにしました。あまりに状態が悪く、ここに来るまでに検査・治療を随分と行われていたので、積極的な治療ではなく、いかに状況を楽にしてあげることを重点に、そして、とりあえず3日間治療して反応を見ることに決まりました。

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幸い翌日より血圧が回復し、体温も僅かに上昇してきました。この2枚のレントゲン写真は、治療2日目に撮影しました、巨大な腎臓結石が左右に、そして、左には小さな結石がさらに3つ見つかりました。

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●著しい膀胱炎と膿尿
消極的な対症療法と思っていましたが、お許しを得て超音波検査に進みました。超音波検査で膀胱内に異常を感じ、膀胱内へカテーテルを挿入しました。すると、尿の最後の部分で膿の排出を確認、著しい膀胱内感染です!急ぎ、多量の生理食塩水で徹底洗浄を行いました。

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●膿尿
洗浄を繰り返したせいか、翌日はとても元気になったそうです。喜んだのもつかの間、2日目には再び状況が悪くなり、血圧低下、嘔吐が出現しました。

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●多量の腎膿瘍
消極的な方針でしたが、本日、もう一度超音波検査をさせていただく事にしました。前回の検査は結石に阻まれて確認できませんでしたが、驚くことに、腎臓内一部には、膿を思わせる沈殿物が多量に見られました。本来の腎臓の映像はここには見当たりません。

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●拡張した尿管
さらに、左から真中にかけて拡張した尿管が見られます。中には結石らしき物(下に向けて影を引く)も見られます。この石が尿管を閉鎖している可能性があります。すぐにでも処置してさしあげたいのですが、余りに状態が悪すぎます。思い切って開腹して手術処置を行うか・・・・なかなか決心がつきません。

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●腎臓内カテーテル
静脈性造影を行うも、腎臓への造影剤の分布はなし。当然、尿管、膀胱へ流れる様子もないので、状況が把握できません。しかし、明らかに腎機能が障害されていることは分かります。上記のとおり余りに状況が悪いので、局所麻酔と麻薬、軽い鎮静剤を併用駆使して、超音波を見ながらカテーテルを腎臓内へ留置しました。カテーテルの留置と同時に膿が噴き出すように溢れだしました。

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●採取した膿
腎臓内に溜まった著しい膿の一部です。こんな状態が長期に続いていたことを思うと可愛そうでなりません。なんとか一時的にでも、食欲を回復させ、安定期につなげたいと願います。

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●術後管理
腎臓に留置したカテーテルを閉鎖回路(滅菌装置)につなぎ排膿と尿の採取を連続して行います。

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●処置後3日目
今日は2回吐きましたが、夕方から顔つきが良く感じます。恐る恐る、ササミを半生にして少し与えると「パクッ」っと。「ハッピーが食べた!」と皆で大喜び。帰宅前に再度少なめに与えると「ガッガツ」と食らいつきました。今日は、来院されてから一番元気に感じた日であり、食欲も逞しく、とっても嬉しい日になりました。「ハッピー頑張って元気になるぞ〜!」 続く・・・・。


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僧帽弁閉鎖不全症 [News]

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僧帽弁閉鎖不全とは、老齢小型犬に多く発生し、進行すると循環不全により肺水腫などを起こし死に至る病気です。左側の心臓の弁が変性を起こし、弁が閉鎖時にしっかりと閉まらなくなり、逆流を生じます。この悪循環により心臓の拡張が進み、咳、肺水腫、失神などが起こります。診断には、聴診、胸部レントゲン、超音波検査があります。

<レントゲン>
この例は、軽い咳が見られるチワワです。右が上から、下が横からの撮影で、心臓、動静脈、肺野を観察し、重症度を判定します。

軽度の心拡大が見らえます。

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<超音波>
●長軸断面
この部位で弁の動き、形、そしてカラードップラーを乗せて逆流の有無をまずは確認します。

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●左室流出路断面
大動脈と左心房の大きさを比較し、左心房の大きさをを数字で表します。

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●短軸腱索断面
左心室の収縮能力を数字で表します。

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●四腔断面
左側の弁から漏れ出る逆流を検査します。
赤と青と緑と黄色が入り混じり(モザイク)のが逆流です。
間違いなくこのケースでは、進行の時間差はありますが、心不全へ移行していきます。

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●逆流量の測定
逆流に計測器をのせて速度を測定します。

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●流速量の測定
左心房から左心室に向かう血流の速度を測定します。
心室の拡張する能力を観察する検査です。

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以上の検査から、心臓薬を処方し、定期的な検査により処方回数、処方薬の調整を行います。早期診断、早期処方により寿命が長くなるので、小型犬では、7歳以上の定期検診は必須です。
早い段階で正しい診断を行い、処方を始めることが大切です!


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長〜い、リード。 [News]

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●リン 柴 1歳半
急患でした。
飼い主さんがリンちゃんを見つけた時には、口から「ゴカイ」がぶら下がっていたそうです。あわてて口の中を開けてみると針が唇にひっかかっていました。自身でトライされましたが、取れないし、痛がるしで急遽連絡が入りました。急ぎ麻酔をかけて、唇の針を取り出しました。レントゲンで確認しましたが、幸い針は口の中だけで、食道、胃にはありませんでした。

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リンちゃんの散歩リードは、なんと6m!お父さんが「可哀相じゃけ〜そうするんよ。」お母さん曰く「お父さんのせいよ〜!」と可愛いリンを挟んでの反省会。
リードが短ければ食べる前に防げたかもしれません。これからは、せめて2m位のリードにしてもらいたいものです。


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