院長ブログ
有難う・・・・しんチャン。 [院長ブログ]
●しんちゃん 14歳 ダックス ♂
ずいぶんとホームドクターで治療されていたそうですが、耳にできた大きな腫瘍から出血が止まらないと来院されました。卵大の腫瘍ができた耳もさることながら、検査を進めるとお腹に大きな腫瘍があることが分りました。耳の腫瘍からの出血が多く、そこからの失血を防ぎ、血液量が上がってきたところでお腹の腫瘍を切除することを勧めました。
●手術準備
血液量は上がってきたのですが、最近、食欲が落ち、尿も漏らす、呼吸も荒い気がするとのことでした。飼い主さんは、手術を何時するべきか悩まれました。しかし、これから状況が悪くなれば今しかチャンスがないとの判断で、手術を踏み切られました。状態が悪いのは分っていました、大きな手術になるので、点滴は3本のルートから薬剤がそれぞれ投与され手術が始まりました。
山の様に膨れ上がったお腹です。最近急に大きくなったと言われます。開ける前から、簡単ではないことが感じられます。
●手術
さあ、大変な手術は承知でしたが、思った以上に大きな塊でした。長期間存在していたために色々な臓器と癒着が見られました。約3時間後、残りの大動脈と大静脈の癒着を剥がせば終了するところでしたが、どうしても壁の薄い大静脈が剥がすことができません。無理に剥がせば直ぐに死亡してしまいます。ここで、手術室から一度離れ、飼い主さんと相談をしました。手術を中止してお腹を閉じ痛みに耐えた後、数日間生きるのが良いのか、痛みのないままこのまま楽にしてあげるのが良いのか?
●安らかに・・・・。
数年も前から耳が悪く、お腹の腫瘍も気づかずに今日まできてしまったことは、今更悔いても仕方がありません、しんちゃんの今後を十分考慮して、飼い主さんは楽にすることを選択されました。食欲が落ち、呼吸が早いのは、大きくなりすぎた腫瘍の圧迫だったと思います。また、尿をもらすのも腫瘍に絡んだ尿管の影響が考えられます。お腹の腫瘍は、お腹の中に残っていた睾丸の腫瘍化でした。早期に、また癒着前に手術ができていれば、至極簡単なことだっただけに悔やまれます。今回は、飼い主さんのこれ以上辛い姿を見たくないという思いと本人の状況を考慮しての選択でした。「しんちゃん今まで有難う。」
早速発見!お腹の腫瘤。 [院長ブログ]
●腹部超音波検査
前回の「脾臓破裂」の緊急手術で啓蒙させていただいたおかげで、早速腹部超音波検査を希望される方が来院されました。軽度の鎮静剤を使用し、30分後に検査に入りました。
超音波プローブを当てた瞬間、「いきなり出ました肝臓部における嚢胞らしきもの。」肝臓を隅から隅まで見ると内側左様に存在すると思われる嚢胞(正確には膿瘍かもわからない)を発見しました。続いて、脾臓、左腎臓、卵巣、子宮、腸骨下リンパ節、膀胱、小腸、右腎臓、胆嚢をくまなく検査しました。
●追加検査
肝臓の嚢胞らしきものが何者かを後日、腹腔鏡で検査を行う計画たてました。状況により肝臓の部分切除も選択する予定です。
「皆さ〜ん。しつこいですが7歳を越えたら腹部超音波検査を忘れずに!」
いつもの脾臓破裂ですが・・・・。 [院長ブログ]
●一刻を争い・・・・
当方は分院が大柿町にあります。昨日までご飯も盛り盛り食べて元気に走り回っていたコーギーが夕方からの虚脱で大柿分院に来院されました。「突然の虚脱、貧血、高齢、腹部腫大」から腹部臓器の破裂をうたがいました。本院での詳細な検査が必要です。また緊急手術となっても対応できないため、応急処置を施し、急ぎ本院へと向かっていただきました。
その後遅れること30分、「今朝まで元気だったが吐いた後に元気が急になくなった」とダックスフンドが来院されました。症状はよく似ています。急ぎ本院へ向かってもらよう伝えるも、飼い主さんは、高齢で足が悪く(犬も飼い主さんの杖である乳母車に乗せられて来院)連れていかれないとのことで、一刻を争うので我々が往診車の中で点滴を行いながら運ぶことになりました。
★分院の飼い主さんには、人手が急に減りご迷惑をおかけしたことをお詫びします。
●緊急手術
生憎、この日は第二音戸大橋が架かる日でした。朝から多くの人手が予想されていました。道が込み合っていないことを祈りながら進みました。幸い思った以上の渋滞もなく、先に出発されたコーギーの飼い主さんとほぼ同時期に到着しました。
しかし・・・・残念ながら先のコーギーは、既に車の中で亡くなっていました。清浄して飼い主さんにお悔やみ申し上げ、急ぎもう一人の患者さんを救命することに全力を注ぎました。
血圧が低下しショック状態でしたが車の中での点滴で少し表情が良くなりました。手術中は麻薬、局所麻酔薬を同時に投与しながらできるだけ吸入麻酔の量を低減し血圧に影響がかからないように配慮します。輸液ポンプを3台使用して個々のルートから薬剤を注入します。
●お腹は血の海
腹部を超音波で出血と腫瘤の確認を行い。緊急手術の準備を始めました。手術成功のカギは、血圧を下げないことです。
●血圧低下
手術中に一度血圧が低下しました。急ぎ、血圧を上昇させる薬剤を2種類追加し対応しました。
●手術翌日
ダックスの「空ちゃん、12歳」は、翌日には早速食べことができました。意識もしっかりしています。しかし、DIC(体のいたるところで起こる血管内凝固)の注意も怠りなく管理しなければいけません。
夕方には、我が家の犬と一緒に吠える様になりました。良い調子です。
●飼い主の皆様へ
目に見える出来物は、気づきやすいものです。しかし、お腹の中の出来物は、何か事が起こらないと気づかず、あるいは気づいた時には、緊急事態になっていることが多いものです。その状態を早期に見つけるためにも、何度でも言います!7歳を越えたら腹部超音波検査を受けましょう!










