広島県呉市「石崎動物病院」

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院長ブログ

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犬の急性膵炎 [院長ブログ]

●キララ、♂、12歳、シーズー
主訴は「10日前から吐く、3日前からは水を少し飲むだけ」でした。
拝見した際には、著しい脱水のため起立することができませんでした。飼い主さんは「もう、歳だから死ぬんじゃないか???」と思い込み、来院が遅れたそうです。

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●超音波検査の意義
消化器症状があるので、超音波検査を積極的にお勧めしました。最近は、超音波検査器の解像度が進化して、いままで見にくかった臓器も見えるようになってきました。また、超音波検査では、レントゲンで見えない臓器の詳細を観察することが可能です。嘔吐と言っても膵炎を含めて肝臓疾患、腸閉塞、腹腔内腫瘍などを除外するために腹腔内臓器全てを決まった手順に従って全域に渡り検査することで病気が絞れることがしばしばあります。超音波検査は、侵襲が殆どなく簡単にできる検査ですので聴診器を当てる感覚で検査させていただければ診断追及に大いに役立ちます。

●膵臓右脚
昔の機材では、膵臓を見ることができませんでしたが、技術の進化により解像度が飛躍的に亢進しました。膵臓は十二指腸の下に付着し右と左に分かれています。膵臓が腫大し、低エコー性(黒)がまばらに見えるのが炎症を生じている所見と言えます。

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●膵臓左脚
肝臓に入る門脈の上に、膵臓の左葉が見えます。これは明らかな異常で、通常は明瞭に確認することができず、もし確認できたとしてもこんな腫大はありません。

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●コルゲートサイン
膵炎、腸炎などがあると特徴的な皺状の像が見られます。
上がその皺のある十二指腸で、左下は胃です。

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●腎盂拡張
腎臓を見ると、色の変化と腎盂の拡張が見られました。腎盂腎炎の可能性も疑い、尿検査を行いました。

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●腎臓の血行
腎臓の色が高いエコー性(白)なので血行状態をチェックしました。今回は、十分な血行がありますが、慢性腎不全の末期では、血行も乏しくなることがしばしばあります。

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●副腎腫大
副腎は大きく腫大していました。正常が7mm以下ですが、キララの副腎は10mmを越えていました。副腎皮質機能亢進症について精査していかなければなりませんが、膵炎の危険因子の一つにこの副腎皮質機能亢進症が挙げられています。

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●治療
急性膵炎と仮診断し治療を開始しました。翌日の血液検査報告で膵特異リパーゼの上昇がみられたので、超音波所見と合わせて急性膵炎と診断しました。嘔吐を積極的に止めて、できるだけ早く食事を食べさせることが重要になります。5日間の集中治療で起立して吠え、そして、自力で水が飲めるまでに回復しましたが、まだ食べる気はおきません。今日は麻酔をかけて強制給餌用チューブを装着する予定です。

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犬の慢性血尿2(移行上皮癌の疑い) [院長ブログ]

●ラム ♀ 12歳 シェットランド・シープドッグ
「4か月前から血尿と頻尿が続く」「耐性菌ができたのでは?」とセカンドオピニオンを求めて来院されました。
早速、陰部を拝見すると血尿らしきものが付着していたので、身体検査後に超音波検査を行いました。

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●超音波検査
今回のケースでは、既に膀胱のほとんどが侵され、片側の@尿管の腫瘍浸潤あるいはA膀胱三角部の腫瘍による閉塞により閉塞が起こり水腎症を発症していることが考えられました。

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      上は膀胱内でカリフラワー状に育った腫瘍です。
      下は尿管閉塞による水腎です。

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●移行上皮癌
細胞診の結果、移行上皮癌を最も疑いました。
下部尿路における悪性腫瘍は全体の1%といわれ、その中でも移行上皮癌が最も発生率が高いといわれます。
移行上皮癌は、シェットランド、シーズー、ビーグルなどが好発犬種であり、発見された時点で既に激しく進行している場合が多くあります。早期に発見され、膀胱三角部(尿管が開口している部位)がおかされていなければ、積極的な膀胱切除により予後が良い場合があります。

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●外科手術の介入
膀胱を全摘出して、尿管を腸に移設する手術の選択肢もお話しましたが、年齢を考慮して出来るだけ痛み、苦しみの少ない生活を維持できることに重点を置く内科治療を選択されました。

よって、最終診断である膀胱から組織を採取し病理検査を行うことは望まれず、その費用を内科治療に回すことになりました。

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犬の慢性血尿 [院長ブログ]

●マロン ♂ ゴールデン 11歳
「明らかに分かる血尿がいつまでも続く。」主訴でセカンドオピニオンを求めて来院されました。精密検査に乗り気でなかったのですが、著しい血尿により急速に貧血が進み蛋白質が低下したため、飼い主さんの重い腰が上がりました。そして、本格的に検査を行うことになりました。

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●超音波所見
拡張した腎盂とその中に血餅様所見が見られました。

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●レントゲン造影検査
腎臓摘出を目的に片側の腎臓が機能しているかどうかを造影により確認しました。

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●摘出腎臓
腎臓を割ってみると、大きな血液の塊(血餅)と血栓がみられました、肉眼的には明らかな腫瘍は発見できませんでした。

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●病理検査とまとめ
結果は、悪性腫瘍である腎臓の血管肉腫でした。腎臓に小さな腫瘤病変が点在していたことから、肝臓(手術中に肝臓の腫瘤病変がきになった)、腎臓、右心耳などに好発する血管肉腫の転移が考えられと思われます。これより、免疫を上げ心地よい余生を過ごしてもらいたいと思います。術後20日した現在、血尿が止まり、貧血は改善、蛋白も上昇していました。

飼い主さんに、気をつけてもらいたいことは、「見た目は黄色でも血尿がある!」「血尿と侮るべからず、明らかに異常である!」「継続する血尿は検査で追究すべし!」です。

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