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犬の慢性肝炎 [News]
●慢性肝炎とは?
犬の肝炎は急性、慢性、小葉細胞型、肉芽種性、好酸球性に分類され、臨床で問題となる慢性肝炎が66%を占めます。その慢性肝炎は@銅関連性とA特発性に分かれます。特発性とは言わば原因不明ということです。
●診断
診断にはまず反応性肝疾患を除外しなければなりません。例えば膵炎、子宮蓄膿症、胃腸炎などでも慢性肝炎と同じ血液の異常値を示すからです。そして、さらにその除外診断を行った後に、慢性肝炎の2つの原因を鑑別するために肝臓の組織を採取して分類する必要があるのです。
●治療
肝臓以外の病気が除外され、血液の肝臓酵素の異常値がいつまでも続いている場合などは、漫然と様子をみるのではなく、肝臓の組織検査をお勧めします。なぜ検査が必要かと言うと、慢性肝炎はタイプにより治療法が異なり、早期に治療を行えば改善されるからなのです。長期に放置して肝硬変に陥ってしまえば手遅れになります。
腹腔鏡を用いれば5mm×2ヶ所で採取でき、痛みはほとんどありません。躊躇して手遅れになる前に検査を行いましょう!
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猫の鼻咽頭狭窄 [News]
●日本猫 ジズー 12歳 ♂
「慢性風邪はあったが、数か月前からさらに鼻が詰まる気がする」と来院されました。精密検査を希望されたので、麻酔下で検査を行いました。
●鼻道所見
口径の細い、硬性内視鏡で鼻の中を覗きました。
検査結果は、軽度の炎症はありましたが、腫瘍などはなく左右共に綺麗な鼻道でした。
●鼻咽頭所見
軟性鏡を用いてJ-ポジションで鼻咽頭を検査しました。
すると、左右の穴がなく中央の小さな穴のみになっている狭窄所見が鼻咽頭部にみられました。念のために鼻からチューブを挿入しても咽頭部にチューブが引っかかって出てこないことが分かりました。
*下の正常所見を参照ください。
●正常所見
鼻咽頭部の正常所見です。左右に分かれての鼻道が見えなければいけません。
*正常所見が無かったので、手書きにしました。
●推奨
レントゲン所見における副鼻腔は正常でしたので蓄膿は除外しました。鼻咽頭部分における狭窄が、先天的、あるいは後天的に発生したのか不明ですが、鼻の通りが悪いのはこの狭窄であると診断しました。今後、鼻咽頭部における処置は飼い主さんと相談しながら進めたいと思います。
昔に比べ、人医と同じく内視鏡検査で色々な場所での検査が可能になってきました。漫然と薬を飲むのではなく、原因を見つけることが大切です。