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猫の炎症性腸炎 [News]
●チビ助 ♂ 日本猫
「便に血が混じる」主訴で来院されました。身体検査時に指による直腸検査を合わせて行いましたが、出血している様子はなく、繰り返す様であれば改めて大腸内視鏡を行うことをお勧めしました。
●大腸内視鏡
全身麻酔をかけて、肛門からアプローチし、大腸内の粘膜組織を5か所採取しました。

肉眼的には、異常がなさそうにみえます。奥の出血は、既に採取した部位からの出血です。
●病理検査
結果は、腫瘍性変化はなく、リンパ球性、形質細胞性大腸炎でした。原因は、寄生虫、細菌、食事アレルギーなどが考察され、これらの除外診断を行い原因除去をおこなわなければなりません。
●コメント
便に血液が混ざる状況を放置していては、やはりいけません。また、炎症には、寄生虫、細菌、食事などが関与している可能性があり、猫の場合は食事の除外アプローチが難しく(診断食をたべない)、やむなく原因不明の炎症性腸疾患と診断、治療されることが多いのですが、原因追及できればなにより体に優しい治療になるのです。
犬の橈尺骨骨折3 [News]
犬の後頭骨(孔)形成不全 [News]
●アオちゃん ♂ チワワ 7か月
「豚の耳菓子を食べたら調子が悪くなり痛がる!」主訴で来院されました。お話を伺うとそれはそれは、大きな豚の耳の干物でした。確かに食道に閉塞していれば、違和感があり、痛みがあるかもしれないと思いましたが....この干物はいつも食べているらしく、今まで特に問題はなかったと伺いました。触診をしてみると、どこか痛がります。頚部の筋を触ると中程度の硬結を感じました。首、胸に狙いを絞って、翌日にレントゲン検査をさせていただくことにしました。
●鑑別リスト
レントゲン撮影にあたり、大きく4つの病気に絞りました。@環軸亜脱臼;第一頸椎と第二頸椎間の靭帯支持に問題が生じ、脊髄を圧迫が加わります。A歯突起欠損、骨折;第二頸椎の骨の一部が先天的に欠損、あるいは骨折することで脊髄に圧迫が加わります。B後頭孔形成不全によるキアリ奇形;後頭部に位置する穴の先天的異型により小脳の一部が脊柱管に落ち込む状態です。(MRI必要)C椎間板ヘルニア;椎体と椎体間にある椎間板が飛び出すことで脊髄を圧迫します。
●レントゲン写真
●結果
レントゲン撮影から後頭骨形成不全があること判明しました。しかし、応急的に行った首の固定で、翌日から痛みが消えて動きが良くなりました。....となると頚部の損傷、椎間板ヘルニアが疑われます。痛みの再発を繰り替えす様であれば、MRIによる検査をお勧めしたいと思います。