News
セキセイインコの精巣腫瘍 [News]
●ピースケ 5歳 ♂
「足が痛そう」との主訴で来院されました。確かに右足に力がはいらないのか、止まり木を把持する力が不足し、やや拳上した状態でした。
●精巣腫瘍と仮診断
3歳以上のセキセイインコに多く見られるのが精巣腫瘍です。精巣が体内で大きくなることで神経を圧迫し、足の麻痺がみられることがあります。飼い主の希望で、積極的な検査を行わず、上記の精巣腫瘍と仮診断して、漢方薬を処方することにしました。
処方を開始してから1ヶ月半、羽根を膨らましふさぎ込んでいた状態が一変、動きが以前の状態に戻り、汚れていたお尻も綺麗になり、拳上した足に力が入るようになりました。顔色も良く若返った感じすらします。
漢方薬の処方と同時に行った治療は、@電磁波を排除することA酸化した体を還元することB有害物質を除去することC酵素をあたえることでした。臓器治療と共に、身体の土台をなす異常を除去し整えることは当院のもっとも大切にしている方針です。この調子でさらなる回復に向けて頑張りましょう!
猫の心不全、動脈血栓塞栓症、リンパ腫 [News]
●ミーコ ♀ 猫
「突然後足が立たなくなり、機嫌が悪くなった!」と慌てて来院されました。身体検査では、起立不能、呼吸速迫、後肢冷感が顕著でした。動脈血栓塞栓症を疑い、股動脈の触診、心臓の超音波検査、胸部レントゲン撮影に移りました。
●血栓塞栓症
左心不全があるために血栓が大動脈に飛んで栓塞し、後躯(後足)麻痺になってしまったようです。緊急に血栓を溶解し、血液凝固抑制処置を行いました。
●リンパ腫
心臓検査の為に胸部レントゲン撮影を行うと、胸の中心部に塊状病変(矢印)が見つかりました、上記血栓処置を行って数日後には、全身のリンパ節が大きく腫れあがってきたため、リンパ腫と仮診断しました。数日後から生薬によるリンパ腫の治療も合せてスターとしました。
●両室(左右)心不全と胸水
超音波検査では、左右の心臓の著しい逆流と胸水が見られました。
●予後
一旦帰宅するも、5日後に再度閉塞が起こりました。同様の処置を行い、速やかに開通、しかし、昨日、急に呼吸が早くなったため、レントゲン撮影を行うと多量の胸水が発見されました。胸の両サイドにチューブを留置する緊急処置をおこないました。左右50mlづつ胸水が抜けました。
問題点が多い現在、予断を許さない状態ですので入院は継続中です、幸い食欲旺盛、2度目の閉塞した足も開通を維持、早く帰宅できることを願って看護していま(愛)。
実習生感想文 [News]
石崎院長先生を始めスタッフの皆様五日間ありがとうございました。お忙しい中実習を受け入れていただき、また多くのご指導賜わり感謝申し上げます。
大学の実習とは異なり、実際の現場で実際の症例をもとに学べる動物病院での実習は、とても充実したものとなりました。
これまでに座学で学び詰め込んできた知識を総まとめしているようで、毎日が様々な教科の復習と予習の繰り返し、といった様な内容の濃い日々でした。その中でもとくに獣医師は、常に物事を客観的に見極めながら対応していかなければならない、という事を学ばせていただきました。
動物病院の獣医師は、客観的に物事を見極めながらオーナー様の主訴をじっくり聴いて診察を進め、周りのスタッフにも迅速かつ的確な指示を出し、検査結果をもとに診断および治療方針を決めた上で、症状や病態とを関連づけながら説明を行わなければならない。
そして何よりも、痛みや不安を抱えている動物やオーナー様に対して親身に接しながら信頼関係を構築し、十分に理解および納得してもらえる良質な獣医療の提供を心がけなければならないと強く感じました。
さらに、院長先生を中心とした周りの先生や看護士の方々の真実・正直・愛のあるチームワーク獣医療もとても勉強になりました。
大学での臨床科目はこれから本格的に始まるので、実際の臨床現場で経験したことを糧に、これからも勉学に励み国家試験合格目指して努力していきたい思います。
改めて、今回実習を受け入れて頂いた院長先生および指導して下さった先生やスタッフの皆様、五日間ありがとうございました。
北里大学獣医学部獣医学科 中田浩美