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2009年11月20日(金)
長期経過した皮膚病 Case1 [News]
●2歳半、ダックスフンド、コロン、♀
生後3か月から痒みが広がり、他院で治療するも良くならないと遠方よりこられました。コロンは、とっても大人しい優しい性格です。体に少し触れるだけで、ポリポリとかきむしり、痒さがこちらに伝わります。じっと2年間この痒みに耐えて来たと思うと気の毒になると同時に、ファイトが湧いてきます!「何とか改善させるぞー!」と。まずは基本に戻って鑑別診断を行いました。目の周り、鼻、耳の先端と脱毛し赤く変化していました。
●前足
真っ赤になった上に、脱毛が著しく、歴史を物語る皮膚の皺が見られます。皮膚には著しい酵母感染が見られました、この症状は、2次的変化だと考えられます。痒みを表す病気には、疥癬(ダニ)、アレルギー(食物、アトピー)膿皮症、真菌症、マラセジア、蚤などが挙げられますが、それぞれを除外しながら治療を進めたいと思います。
●後足
同じく、脱毛と発赤が著しく、見るのがつらくなります。皮膚は慢性化のために厚く肥厚しています。皮膚から材料をとり、寄生虫、カビ、酵母の感染を検査し、膿皮症に対しては抗生物質を投与し、食物トライアルを開始しました。
●●2週間後
一番変化のあったのが顔です。鼻先の潰瘍も無くなり、目のまわり、鼻のまわりと毛が増え、赤みがほとんどなくなっているのが分りますか?
●●前足
赤みがまだ残りますが、脱毛部に少し毛が生えてきました。
●●後足
こちらは、明らかに赤みが減りました。皮膚の皺も随分と減りました。長い間、痒いのを我慢して辛かったと思いますが、この度の治療が功を奏し嬉しい限りです。コロンも病院へ来る度に、しっぽの振り幅が大きくなって喜んでくれている気がします。「待ってろよ〜コロン。必ず痒みを止めて、毛を生やしてあげるから〜。」
続く・・・・。
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19時40分