院長ブログ
腎臓内に袋ができる病気もあるのです。 [院長ブログ]
腎嚢胞とは?
腎臓の実質の中に、液体の袋を作ってしまう病気です。
袋が小さいうちは症状が出ることが少なく、発見が遅れてしまいがちです。
この袋が大きくなると、腎臓組織を圧迫し、腎臓の機能に障害が生じ、症状が出始めます。
●ソラ ペルシャ ♂ 3歳
嘔吐、下痢が続くという主訴で来院。
食欲・元気はあるとのことでした。
ソラちゃんのお父さんは、「ペルシャ」という本の表紙になった有名猫だそうです。
血液検査では特に異常無し。
お腹を触診してみると腎臓が腫れている様子でしたので、腹部超音波検査を行いました。
写真は左腎で、5時の位置に大きな嚢胞が確認できます。
かなり大きな嚢胞が見えています。
今後この嚢胞が大きくなり続けると腎組織を圧迫して腎不全になってしまう可能性があります。
小さな嚢胞も2つ確認できます。
このように大小多数の嚢胞が左右の腎臓に確認されました。
嘔吐・下痢に対する対症治療を行い、結石を作ってしまう体質を持っているため、只今食事療法を継続しながらも、元気に過ごしています。
この猫ちゃんのように、消化器症状で来院され、そこから異なった異常を発見することがあります。
改めて、超音波検査を行うことはとても有用性があると、実感します。
特に最近はワンちゃん猫ちゃんの腫瘍の発生率が高くなっています。病気の症状が出てしまう前に健康診断として超音波検査を定期的に行ってあげることで、早期発見につながっていくと思います。
皆さんも一度考えてあげてください。 獣医師 山下裕子
いたしかたないかな?喧嘩人生。 [院長ブログ]
●猫の膿瘍
猫ちゃんの雄に特に多い病気です。
ほとんどの原因が喧嘩で、咬傷から感染が起こり、袋状に皮膚の下が膨らんでしまう状態を言います。
予防は、外に出て喧嘩を防ぐ事ですから、去勢手術をしたり、閉じ込めておくことです。
中には、去勢手術がまったく効果をしめさない場合もあります。
マル 雄(去勢手術未)3歳 Mix
■いつも外へ徘徊するのが大好きで喧嘩が絶えません。今回も左眼の上を咬まれてしまいました。
■マルは人間にはとても優しいのですが、日夜縄張り争いで奮闘し、同じ猫には厳しいのです。
@左の眼の上(耳下)が少し膨らんで
見えます。
Aそのカサブタを剥がすと、膿が
出てきました。
B膿を拭き取ると、小さな穴がみえます。
C探子を使って膿瘍の広がり、深さを
検査します。
D実際の膿瘍の広がりは、この様に大きく最下部を狙って切開を行いました。洗浄繰り返した後、バンテージで保護します。
♂は縄張りを作り、子孫繁栄の為に外を出歩きながら♀を探し回ります。そして、縄張り間で喧嘩が生じます。
いたしかたないことですが、喧嘩によりウイルス感染、慢性腎不全のリスクが高まるなどの危険が発生します。穏やかで、病気の少ない一生を送るには、早期に去勢を行い、食事管理を徹底して肥満を防止することが、一番良い方法だと思います。
「しょぼしょぼ」を繰り返していたそうな。 [院長ブログ]
●シーズー 9歳 ♂
元気、食欲旺盛。
10か月前から、眼の「軽いしょぼしょぼ」が治らないと来院されました。
●原因
麻酔をかけて、検査をおこなうと「逆まつ毛」が原因であることがわかりました。
逆まつ毛と言っても3つのタイプがあります。
@睫毛重生(しょうもうじゅうせい)
逆まつ毛が同じ毛根からたくさん生える状況
A睫毛乱生(しょうもうらんせい)
逆まつ毛が角膜に向かって生える状況
B異所性睫毛
逆まつ毛が本来生えない場所に出現する状況
下瞼に毛がのぞいているのが見えますか!?
この毛が、角膜中央をいつも、いつも刺激して小さな潰瘍がず〜と治らない状態が続いていたのでした。(異所性睫毛)
なんと!同じ場所から8本もの毛が出てきました!
これで、長期間、悩まされていた「しょぼしょぼ」から解放されました。メデタシ、メデタシ。














