広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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いつもの脾臓破裂ですが・・・・。 [News]

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渋滞中の車から撮影

●一刻を争い・・・・
当方は分院が大柿町にあります。昨日までご飯も盛り盛り食べて元気に走り回っていたコーギーが夕方からの虚脱で大柿分院に来院されました。「突然の虚脱、貧血、高齢、腹部腫大」から腹部臓器の破裂をうたがいました。本院での詳細な検査が必要です。また緊急手術となっても対応できないため、応急処置を施し、急ぎ本院へと向かっていただきました。

その後遅れること30分、「今朝まで元気だったが吐いた後に元気が急になくなった」とダックスフンドが来院されました。症状はよく似ています。急ぎ本院へ向かってもらよう伝えるも、飼い主さんは、高齢で足が悪く(犬も飼い主さんの杖である乳母車に乗せられて来院)連れていかれないとのことで、一刻を争うので我々が往診車の中で点滴を行いながら運ぶことになりました。
★分院の飼い主さんには、人手が急に減りご迷惑をおかけしたことをお詫びします。


●緊急手術
生憎、この日は第二音戸大橋が架かる日でした。朝から多くの人手が予想されていました。道が込み合っていないことを祈りながら進みました。幸い思った以上の渋滞もなく、先に出発されたコーギーの飼い主さんとほぼ同時期に到着しました。
しかし・・・・残念ながら先のコーギーは、既に車の中で亡くなっていました。清浄して飼い主さんにお悔やみ申し上げ、急ぎもう一人の患者さんを救命することに全力を注ぎました。

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血圧が低下しショック状態でしたが車の中での点滴で少し表情が良くなりました。手術中は麻薬、局所麻酔薬を同時に投与しながらできるだけ吸入麻酔の量を低減し血圧に影響がかからないように配慮します。輸液ポンプを3台使用して個々のルートから薬剤を注入します。

●お腹は血の海
腹部を超音波で出血と腫瘤の確認を行い。緊急手術の準備を始めました。手術成功のカギは、血圧を下げないことです。

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●血圧低下
手術中に一度血圧が低下しました。急ぎ、血圧を上昇させる薬剤を2種類追加し対応しました。

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●手術翌日
ダックスの「空ちゃん、12歳」は、翌日には早速食べことができました。意識もしっかりしています。しかし、DIC(体のいたるところで起こる血管内凝固)の注意も怠りなく管理しなければいけません。
夕方には、我が家の犬と一緒に吠える様になりました。良い調子です。

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●飼い主の皆様へ
目に見える出来物は、気づきやすいものです。しかし、お腹の中の出来物は、何か事が起こらないと気づかず、あるいは気づいた時には、緊急事態になっていることが多いものです。その状態を早期に見つけるためにも、何度でも言います!7歳を越えたら腹部超音波検査を受けましょう!


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蜂窩織炎(フレグモーネ) [News]

●蜂窩織炎
蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、別名フレグモーネと呼ばれ、びまん性に広がる皮膚の感染巣のことです。蜂の巣のように見えることから「蜂窩」と言います。
穴がポコポコと開いているのが分かりますか?

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この病気は黄色ブドウ球菌が感染する深部膿皮症です。病歴、掻痒の有無をチェックし、正しい抗生剤を選び、効果のある投与量を確立し、十分な投与期間を考慮することが大切です。時に抗菌シャンプー、バブル風呂などを併用することがあります。

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抗生物質の投与で膿の排出が治まり、毛もずいぶんと生えてきました。このケースでは、コンクリートに囲まれた生活環境により患部の血行障害が重症化した原因と考えられました。速やかな環境改善が急がれます。


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ウサギの基底膜障害 [News]

●基底膜障害
以前、猫でこの病気を紹介しましたが、兎では初めての経験でした。基底膜障害とは、角膜の上皮を支える土台の様なものですが、その上皮とその下の基底膜の接着が不十分であると、上皮が再生しても再び角膜潰瘍を繰り返す病気で「難治性角膜潰瘍」とも言われています。
このウサギのチェリーちゃんの場合、1ヶ月前から目をつむっていたそうです。

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潰瘍部分が見えますか?

●手術
上皮と基底膜を接着させるための土台作りを行います。

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●眼瞼縫合
角膜切開の後に、コンタクトレンズを乗せて眼瞼を縫合して終わります。約2週間後に上皮再生状況を検査して終了です。
私の犬と猫の経験では、8割が1回の処置で治りますが、2割が再度、この処置を繰り返す必要があります。過去に1例(柴犬)が完治しないことがありました。

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どの動物でもいつまでも涙が出る、しょぼしょぼする、結膜が赤いなどの症状があれば、精密検査を受けてください。
術後の眼の抜糸ですが、犬、猫の場合は無麻酔で可能ですが、このチェリーちゃん、兎とは思えないほど気が強いので麻酔を行いました。
早く良くなると良いですね〜。

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