広島県呉市「石崎動物病院」

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外科:草刈の時には、留守番させましょう! [院長ブログ]

●ヒューガ 11歳 雄
飼い主さんは、ヒューガちゃんといつも一緒に仕事に出かけているそうです。この度、草刈りをしている際、草にまぎれていたヒューガちゃんのお尻を刈ってしまったのでした。
傷は、ずいぶんと深いようです。まずは、血液検査と身体検査で全身状態を把握して麻酔をかけました。

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●砂と草
太っているのが幸いして、深い傷でしたが、お腹まで達していませんでした。(ここでは、その写真は載せるのをやめました)しかし、たくさんの草と砂を取り除くのが大変です。外傷の原則は、6〜8時間以内に傷を処置すれば感染を防げます。ヒューガちゃんは受傷後3時間ぐらいでしたので、正しく処置すれば化膿を防げると思います。

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●術後
砂と草を取り、その後大量の液体で傷を洗浄しました。そして、排液用のチューブを5本装着して終了しました。
お腹の半分を占める傷でしたので、術前、術中、術後の疼痛管理が傷の治りを左右します。

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●その後
その後、数回の包帯交換を終え、傷は化膿することなく、抜糸も無事に終わり、心配した機能障害も無く完治しました。

歯もかなり凄かったのですが、この度は緊急事態の傷を最優先して次回にまわすことにしました。この歯も常に感染巣となるため、特に年寄りにとって、放置しておくことは恐ろしいことです。

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●教訓
とにもかくにも、草刈時には、犬を連れていかないように注意しましょう!


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猫の腸管腫瘍 [院長ブログ]

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●春 三毛猫 ♀11歳
昨年3月から食欲が落ち、徐々にやせてきたそうです。他院にて色々と検査をされた様ですが、原因追求まで至らず遠方よりお越しいただきました。定期的な嘔吐を繰り返し、食べる気はあるが、食べた後に必ず吐いてしまうとのことでした。白血球の軽度の上昇と中毒性変化がみられることから、体のどこかに炎症があることが疑われました。既に検査をたくさんされていましたので、まずは、腹部の異常にしぼって、超音波検査をさせていただくことにしました。

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●超音波所見
胃の運動低下。小腸の形が異常にみられる部位の存在。膵臓周辺の異常像。リンパ節と思われる腫れの存在。他にには、胆泥貯留などが気になりました。
ここ数日食事を食べていないこと、明らかに腹部に異常がみつかったことから、腹腔鏡を用いた検査をさせていただくことにしました。

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●開腹へ
腹腔鏡で明らかに腸の閉塞様所見がみつかりましたので、急ぎ飼主さんにご相談の上、開腹手術に切り替えました。

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●腸閉塞
お腹全体に炎症所見があり、小腸の一部が腫瘍化し閉塞している部分が直ぐに見つかりました。術後にその部位を切開すると腸の管の部分は、ほとんど閉鎖され液体も通らない状態になっていました。全体像からするとリンパ腫が疑われます。

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●腸吻合
腫瘍と思われる部分を広めに切除し、腸の上下で大きさを調整して、結合させました。

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全周を縫合し、漏れがないことを確認します。その縫合部に予防的に大網をかぶせて固定します。

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●術後
11歳と言う高齢、また食事もしばらく食べれない状況下で長時間の麻酔でしたので、特に麻酔管理に気を使い大変でしたが、無事覚醒し、その日の夜にはお帰りいただきました。
翌日からは、嘔吐が「ピタッ」と止まり、顔つきもよくなり不快感が無くなったと聞きました。また、食事も少量ですが、生きよい良く食べ、その後も吐いていないという嬉しい報告を受けました。これから検査結果の報告がまっていますが、とにもかくにも前向きに物事を考えていただくようにご指導させていただきました。「春ちゃん、一緒にがんばろう!」


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歯石除去の手順 [院長ブログ]

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●歯科ユニット
最近、歯科ユニットを新しくしました。右がユニットで、低速ドリル1本、高速ドリル2本、吸引機1本、洗浄機1本、超音波スケーラー1本を備えています。左の大きな装置がコンプレッサーです。

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●観察
まず、全体を観察し、次に一本一本の歯の状態を検査していきます。歯肉の状態、歯肉ポケットの深さ、エナメルの状態、歯の本数、歯のぐらつきなどを詳細に記録します。

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●検査
歯肉のポケットの深さを計っているところですが、このケースでは歯肉部分に出来物を発見しました。検査終了後、切除しました。

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●歯石除去
詳細な検査後に、超音波スケーラーを用いて歯石の除去をおこないます。次に、歯肉ポケットに残る歯石を別のスケーラーを用いて歯石を取り除きます。

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●レントゲン撮影
異常を感じた歯は、レントゲン撮影を行います。根が残り継続した炎症がある場合、乳歯が埋まりこんで炎症を内部で生じている場合、根の先端が化膿している場合、腫瘍の周囲組織浸潤を見る場合などに使用します。ここで、必要であれば抜歯、そして必要であればフラップを形成して処置します。

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●染色
皆さんも歯医者さんで行うように、歯垢の取り残しが無いかを検査します。残っている部分があれば、再度超音波スケーらを使ってクリーニングを行います。

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●研磨
みがき粉を付けて歯の表と裏をまんべんなく磨き上げます。

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●洗浄
最後に蒸留水で洗浄して、ポケットの深い部分に薬剤を注入して終わりです。全ての歯を一本一本検査、処置しますので、問題が多い場合には3時間ほど必要になります。
お疲れさまでした!


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