ある日の土曜日・・・・。 [院長ブログ]
●土曜日は手術日
当院では、緊急以外の手術を月、水、金、土曜日に設けています。中でも土曜日は、診察も手術も多く大変な一日になります。いつもスタッフの昼食は夕方か無し。そして、帰宅するのは夜中近くになります。できることならば、土曜日以外を選択していただきたいのですが、そうもいきません。
●今日も頑張るぞー!
今日の手術は@ワンちゃんの下顎の腫瘍摘出Aワンちゃんの腹腔鏡を使用した避妊手術B猫ちゃんの去勢手術C猫ちゃんの骨盤拡張手術D猫ちゃんの鎮静下での包帯交換が控えています。忙しくなりそうだな〜!?
この写真は、奥の手術室で腹腔鏡の避妊手術が終わったところです。隣の準備室では、次の手術(腫瘍摘出)の準備が始まっています。常に先を読みながらの各員が忙しく動きまわります。
●手術準備
単に手術と言っても、リクエストあるいは状況に応じて手術前に胸のレントゲン撮影をしたり、必要があれば心臓の超音波検査へ進みます。また、麻酔前には、血液の止まり具合を検査したり、痛みを極力とるための硬膜外麻酔を行ったりします。よって、直ぐに手術に移れるわけではなく、準備に手術以上の手間と時間を要することがあります。このヨークシャテリアの彼女は、手術前の胸のレントゲンで心臓拡大が見つかったので、超音波検査に進むところです。
●術後
手術後直ぐの患者さんは、麻酔がしっかりと覚めるまで、我々の目の届く範囲に置いて観察(体温、血圧、呼吸状態、血色)します。特に大きな手術を行った患者さんは、体温低下を防ぐためにタオルと保温シートに包みこみます。
●お疲れ様でした。
戦場の様な一日を過ごし、全員無事に目覚め、入院室で皆の寝顔を確認して帰宅します。ふと時計をみると夜の11時・・・・。
ご飯を食べる暇もなく、時間を惜しんで懸命に頑張るスタッフの献身的な姿勢に今日も心の中で手を合わせるのでした。
皆さん今日も有難うございました!おかげで無事に終わることができました。感謝(院長)
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犬の肛門嚢の破裂 [院長ブログ]
●チェリー13歳 キャバ
キャバリアという種類は、心臓病になりやすいと言われています。チェリーは左と右の心臓の弁、肺動脈弁の逆流が認められます。
今日は、定期的な心臓の検査を行う日です。レントゲンと超音波検査を行い、定期的に心臓の大きさ、逆流状況、収縮力などを観察していきます。
●あれ?肛門腺破裂!?
心臓の検査では、チェリーちゃんはじっとしていないので、いつも鎮静をかけてじっくりと見させていただいています。今日は心臓の検査と肛門腺を絞るリクエストをいただいていたのでした。しかし・・・・肛門を見ると赤く腫れあがっているではないですか!?
肛門腺とは、匂い袋とも言い分泌液が溜まる肛門の4時と8時の方向に位置する袋です。スカンクは、この分泌物を放出して敵を撃退します。同じく犬、猫にも存在します。この袋が感染あるいは閉塞することで、破れてしまうとこの様に腫れあがってしまいます。
●処置
急ぎ心臓の検査の前に局所麻酔を施し、切開と洗浄を行いました。通常、治癒までに約10日を要すると思います。この破裂を予防するには、定期的に袋を絞るか袋を切除する方法があります。多くの方は、定期的に絞ることを選択されます。
よくある病気なので、お尻を引きずる症状があれば肛門腺の溜まり具合を確認することを忘れずに、また、分らなければ急ぎ病院へ来てくださ〜い!
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揃って脾臓摘出になりました。 [院長ブログ]
●ビリー ダックス
以前から痩せてきたのが気になっていたそうです・・・・ここ数日急に元気が無くなり来院されました。
虚脱状態で体温低下。血液検査で明らかな貧血があります。腹部を触ると塊様の物がわかります。超音波検査をするとお腹の中で出血している様子。急ぎ手術をお薦めましましたが、飼い主さんの心が決まらず、1日待つことになりました。
●緊急手術
翌日、飼い主さんの思いが決まり、手術をすることになりました。本来ならば前日に直ぐに手術すべきでしたが、そんなことは言っておられません。急ぎ、術前準備を施し輸血の準備を整えて麻酔に入りました。
●脾臓の腫瘍
すでに破裂していましたので、お腹の中に出血があります。お腹の中の脂肪の網が破裂部位にくっつき懸命に出血を止めようとした跡を認めます。その影響で癒着をはがすのに時間を要します。おおきな脾臓をお腹から出すときには、血圧の変化、また不整脈が出現することがあるので、慎重に行います。
●精査
手術中に一時血圧が低下し急ぎ対応。摘出後、お腹の中に転移がないかそれぞれの臓器を検査します。腎臓、膵臓、胃、腸、肝臓に肉眼的転移所見は無く一安心。
●りりー ダックス
突然、痙攣様の症状があり一時預かりしました。色々と病気を探る検査をしている時に、超音波検査で脾臓の異常所見が目にとまりました。かなり大きな塊が見つかり、今にも破裂しそうなので緊急手術を決めました。
●手術
まだ、脾臓が破裂していないので、癒着はありません。ビビと比較して、手術はスムースに進みます。小さな血管は、超音波メスで閉鎖そして切断しながら進みます。この機材を使用すると手術時間が短縮されます。
●精査
ビビと同じく転移が無いか各種臓器を精査します。
リリーは、超音波検査と血液検査で肝臓の異常所見があったので、この際一緒に肝臓の検査(組織検査、胆汁検査)を行いました。
●教訓
今回ともに脾臓に問題のあった二人は、偶然同じ日に手術することになりました。あまり病院と縁がなかったビビの脾臓は破裂。一方、普段から我々と接する機会が多いリリーは、破裂の手前で発見されました。
「検査をすると悪いところが見つかるから嫌!」と言われる飼い主さんもいらっしゃいますが、常日頃から検査をこころがけると今回のリリーの様に大事に至らないで済むことがあります。 腹腔内腫瘍は、大きくなって他の組織を圧迫するようにならないとなかなか発見ができません。定期的な超音波検査を行うことが大切です。
くれぐれも定期的な検査をお忘れなく!


















