広島県呉市「石崎動物病院」

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猫の熱射病 [院長ブログ]

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随分と落ち着いてきました

●熱射病
熱射病は、主に犬を中心に発生します。日中の熱い中を散歩したり、熱い室内、車内に放置したり、海へ連れていったりすることで体温が上昇し、しばしば死にいたる病気です。

●お盆中の出来事
カイル、メインクーン♂
ケージに入れて玄関先に放置していたら、口を開けて「ハアハア」する状態。体を触るとやけにあついので、あわててご連絡いただきました。この度は、発見が早く体温は、40.5度。早速、水に濡らしたタオルで包みこみ、少し冷やした点滴を始めました。ここでの重要ポイントは、体温を下げてやることです。しかし、決して冷やし過ぎないことが大切です。余りに冷たい対応をすると血管が収縮してかえって体温が下がらなくなり、また、心臓にも負荷がかかってしまうからです。

●1時間後
約1時間で正常体温に戻ったので、タオルと点滴を外しました。そして、夕方まで点滴を続けました。飼い主さんは、名古屋から帰省中でした。今回は、初期段階で連絡いただけたので、大事にいたらずに済みました。

これを教訓に、毛皮を脱げない、汗をかけない彼らにさらなるご注意をお願いします。


 


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難治性口内炎と貧血 [院長ブログ]

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●オリーブ、ミニチュアダックスフンド、5歳、メス
今年の1月から「涎(よだれ)」が治らないと三原から来院されました。大人しくとっても良い子ですが、涎が止まらず、気の毒な難治性口内炎を疑う所見でした。

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●血液塗抹所見
血液検査では、貧血が発見されました。1月からの検査を拝見すると徐々に貧血が進み、当方で調べた時には20%(通常37%)になっていました。体が貧血再生能力があるかどうかを採取した一滴の血液を使って検査します。この所見で青く見えるのが再生(若い)赤血球です。治療3日後のですが、再生能力が復活してきたのが分かります。

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●骨髄所見
採取した段階から危惧していましたが、赤血球の大元になる赤芽球が見当たりません。「う〜ん。大丈夫か!?」

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●著しい口内炎
歯石はまったくありませんが、見るからに口腔内全域が炎症を起こし、膿が溜まり、粘膜が固くなっています。よくこの著しい痛みのある状態で食事がとれるものだと驚きます。


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●口腔粘膜採取
麻酔がかけれるぎりぎりの状況でしたので、今を逃す訳にはいきません。飼い主さんにお願いして全身麻酔をかけ、唇の一部を切除し病理検査へ、そして骨髄検査を同時に行いました。この写真は、固くなった唇の一部です。

●治療開始
病理の結果を待つと約7日間かかります。かなり際どい状況なので、試験的に治療を開始しました。現在治療後、約10日目ですが、ヨダレが止まり、ゆっくりですが血液量も増加しつつあります。治療反応から、自己免疫性口内炎および自己免疫性貧血と位置付けました。


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抗体検査の報告書 [院長ブログ]

この度、当院では、3年間に渡り、毎年、犬約600頭、猫約120頭の抗体検査を行いました。この検査を始めたきっかけは、「人では、毎年ワクチン接種をしていない!」また「アメリカの州によっては、3年に1回接種である。」そして「アメリカの自然派獣医師団体は、ワクチンを射つことで病気の発生をまねくので射つべきでない!とまで訴えている」などの疑問からでした。

以下が調査した項目と結果です。

●検査内容
犬は、@ジステンパー Aパルボ 
猫は、@ヘルペス Aカリシ B猫伝染性腸炎
それぞれで、以上のいづれかが引っ掛かった場合を接種必要としました。

●平成18年は、犬では、ワクチン接種が65%で不要でした。
猫では、71%で不要でした。

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●平成19年は、犬では、同じく65%。猫では、71%がワクチン不要でした。

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●平成20年、犬では、さらに同じく65%で不要。
猫では58%不要でした。

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●結論
犬、猫共に、おおよそ6割でワクチン接種が不要でした。
検査例の中には、3年間接種不要のケースもあり、毎年の過剰接種を避けるためにも、抗体検査確認後、ワクチンの再接種を検討することが、体に優しい良い方法だと分かりました。

つまり「6割以上で、ワクチンは、毎年射つ必要がない!」しかし「個体差があるので、個々に抗体検査で調べる必要がある!」と結論づけられました。


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