広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

RSS1.0


選択されているタグ : 

%93%E0%89%C8

猫の好中球性胆管炎 [院長ブログ]

●主訴は「突然の元気、食欲なし」でした。身体検査では、発熱、呼吸速迫が気になりました。血液検査では、

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●胆管炎の分類
猫の炎症性肝炎は、好中球性、リンパ球性に分類されます。また、犬とは異なり炎症性腸疾患、膵炎の3つの炎症と関連があるとも言われます。確実な診断は、肝臓生検(肝臓の一部を採取して病理検査)ですが、胆汁採取から得られた情報から仮診断して抗生剤を投与して反応を見る方法もあります。

●超音波検査
胆嚢の拡大、胆石、胆汁、胆泥なし。
超音波ガイド下で胆汁採取を行いました。

画像(330x246)・拡大画像(640x479)

●胆汁採取
採取した胆汁は、細胞診と培養(嫌気、好気)検査に提出しました。培養検査には時間を要するので、その間、院内で検査可能な胆汁をグラム染色、ギムザ染色を行いました。その結果、陰性桿菌を認めたため、抗生物質の静脈投与を開始しました。高熱(40.3度)は、翌日には平温(38.5度)に復し、食事を少しつまむ程度に回復しました。

●治療
好中球性胆管炎の治療は、抗生物質を4−6週間投与します。その他、胆汁排泄促進剤、SAMe、シリビンなどを併用します。


関連タグ :

  一記事表示

猫の糖尿病 [院長ブログ]

●クマ ♂ 9歳 Mix
主訴は「多飲多尿、脱水、嘔吐、体重減少など」でした。この症状と高齢の猫であることで高率に疑う疾患は、慢性腎不全と糖尿病です。早速、血液検査と尿検査を行いました。結果は血糖値456mg/dl。糖尿病を疑いましたが、先ずは食事でコントロールすることにトライしました。また、気を付けなければいけないことは、猫はストレスでも高血糖になることです。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●猫の糖尿病
糖尿病は、人間同様に生活環が変化し、2番目に多い内分分泌疾患と言われます。危険因子は@年齢;9-13歳がピークA肥満B中性化(避妊、去勢)C性別;♂に多いD品種;♀の1.5倍などが上げらます。
糖尿病には2つのタイプがあり、猫は2型糖尿病が最も多く、インスリン非依存型とも呼ばれます。つまり、インスリン注射の必要がなくなる可能性があります。

●治療
治療は、状況によりますが、多くは初診時点で高血糖により著しく脱水し衰弱していることが多く、まずは輸液を行い脱水を矯正します。そして、インシュリンを低用量から開始し、一定期間後に血糖値を時間単位に追っかけて最低値血糖値を探します。そして、其の後の自宅での管理の為に飼い主さん自身が注射のトレーニングをして、朝晩注射していただかなければなりません。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●予防
予防は、肥満を防ぐことが大切で、既に肥満している場合は、徐々に減量させることが肝要です。減量を焦り、絶食を2日以上させた場合には、脂肪肝(肝リピドーシス)になる危険があります。私見ですが、猫は本来肉食であり、キャットフードを食べる生き物ではなく、なぜならばキャットフードの主成分は穀類(炭水化物)であり、ライオン、トラの食事は肉、内臓、骨であることは明らかです。遺伝子に逆らった食事を戴くことで、体に負担が生じ病気に繋がってしまうことを理解し、根幹から考え直さなくてはなりません。


関連タグ :

  一記事表示

犬の慢性肝炎 [院長ブログ]

●慢性肝炎とは?
犬の肝炎は急性、慢性、小葉細胞型、肉芽種性、好酸球性に分類され、臨床で問題となる慢性肝炎が66%を占めます。その慢性肝炎は@銅関連性とA特発性に分かれます。特発性とは言わば原因不明ということです。

●診断
診断にはまず反応性肝疾患を除外しなければなりません。例えば膵炎、子宮蓄膿症、胃腸炎などでも慢性肝炎と同じ血液の異常値を示すからです。そして、さらにその除外診断を行った後に、慢性肝炎の2つの原因を鑑別するために肝臓の組織を採取して分類する必要があるのです。

画像(330x263)・拡大画像(589x470)

腹腔教で組織検査中

●治療
肝臓以外の病気が除外され、血液の肝臓酵素の異常値がいつまでも続いている場合などは、漫然と様子をみるのではなく、肝臓の組織検査をお勧めします。なぜ検査が必要かと言うと、慢性肝炎はタイプにより治療法が異なり、早期に治療を行えば改善されるからなのです。長期に放置して肝硬変に陥ってしまえば手遅れになります。

腹腔鏡を用いれば5mm×2ヶ所で採取でき、痛みはほとんどありません。躊躇して手遅れになる前に検査を行いましょう!


関連タグ :

  一記事表示

過去の記事へ

ページのトップへ

症例検索キーワード

  • お問い合わせ
  • スタッフ募集
  • 石崎動物病院の日々

検索

最近の記事

リンク集

powered by a-blog

[Login]