犬の鼻腔狭窄、軟口蓋過長矯正術 [News]
●ゆきち 雄 1歳 フレンチブルドック
鼻の短い犬種である短頭種では、生まれつき鼻の穴が狭く、喉ちんこ※が長いことが多くあります。またその狭い鼻の穴の影響で2次的に喉ちんこが引っ張られて年々伸長し、大きないびきをあげながら気道を塞ぎ呼吸するこすら困難になるケースがあります。
「ゆきち」ちゃんは、初診3か月の身体検査で発見し、手術をお勧めしていました。今回、体力が備わり待ちわびた手術を実施した次第です。
※喉ちんこ=軟口蓋:口の中の天井部分(硬口蓋)から後ろにある柔らかい部分
●軟口蓋切除
大きく垂れ下がった喉ちんこを切除します。切りすぎてしまうと元に戻せませんので慎重に切除範囲を決める必要があります。
●切除後
ラウンドマークは扁桃腺の下1/3と言いますが、なかなか狭い空間のなかで合わせることは難しく、長年の感覚を使って行います。
●術前
鼻の穴が狭窄しているのが分かります。
●術後
手術により穴が大きく開口したのが分かります。
鼻の短い犬種では、いびきをかくのが当たり前と思われている飼い主さんが沢山います。しかし、その状態を放置しておくと年齢を重ねるごとに悪化するケースが多くあります。そして、重症な場合には、小嚢反転、喉頭麻痺と言う厄介な状況までに進展することがあります。
いびきがなくとも特に鼻の穴が狭い場合には、その後の喉ちんこ伸長を防止するために早めの鼻腔拡大手術をお勧めしています!
●飼い主さんの感想
『いびきが無くなりました!』
『急に無くなると寂しいです。』???
治療家と異なり飼い主さんの心境は複雑ですね〜♪。
猫の口腔内腫瘍(扁平上皮癌) [News]
●14歳 三毛 ♀ ていちゃん
「顎が化膿している」主訴で来院されました怖がりの子でした。
お話では、昨年末から口のただれが気になり他院にて診ていただき、抗生剤と消炎剤の処方があったようです。
確かに左顎が腫れて、膿状の液体が確認されました、良く見ると下顎は側方へ変位しています。顎の骨を下から触ると変形を感じ「ただ事ではないこと」を察しました!
飼い主さんは、今までの流れからそれほど重大な状態とは思われておらず、この温度差をどうやって埋めようかと思案しました。
周波数測定でも同じく癌を疑う悪い結果でしたので、しっかりと状況をご説明し麻酔下での検査、そして必要であれば食道カテーテルの装着をお勧めしました。
●検査
まずは鎮静の段階で口腔内を検査しました。
想像以上に患部はひどく、左の下顎骨は融解し、支持を失った歯が2本今にも抜け落ちそうな状態にありました。
これでは、自力で食事をすることが困難であることが分かります。
土台を失い抜け落ちた歯です。
骨が肥厚し歯が脱落してしまうような外貌は、悪性腫瘍に間違いありません。
0👈の下顎の先端が腫れあがっていました。
毛刈りすると状況の深刻さが分かります。
●食道カテーテル設置
プランニングは、首に装着した食道カテーテルから、癌の増殖を抑制し、細胞の変性を防ぎ、ミトコンドリアを元気にして坑酸化力を増す漢方薬の投与を開始することにしました。
●今後
西洋医学の三大治療である@外科、A放射線、B抗癌剤投与は行いません。なぜならば、いずれも大量の活性酸素が発生し、免疫機能がさらに低下してしまうからです。
自宅で温めてりラックスしてもらいながら、漢方薬の処方と周波数療法を
行う予定です。
猫の心房内血栓 [News]
●うるる 日本猫 歳 ♀
「胸水が貯留している」主訴で、他院の先生からの紹介でした。
既に呼吸状態が悪化、換気不足を察し、
急ぎ胸腔チューブを装着し入院になりました。
内科(漢方薬)の効果で一時期は、胸腔チューブを除去して帰宅されましたが、
10日後に再度胸水が貯留し、チューブの再設置を行いました。

食欲もあり、毎日面会に来られる飼い主さんを楽しみにし、機嫌の良い日々を送っていましたが、途中から変化がおこりました。
「食欲がなくなり、何となく元気がない」
再び超音波検査を行いました。
●巨大な左心房内血栓症


●その後
上記の血栓を発見後、数日してご自宅で亡くなりました。安定した日々が続いていたこともあり、胸腔チューブが完全に外せる日を心待ちにしていた矢先でした。
突然に巨大な血栓が発生してしまい、あれよあれよと言う間に他界してしまいました、とても残念で力不足を悔やみます。
何か良い方法はなかったと反省する日々です。