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眼の大きな腫瘍 Part2 [News]
●眼瞼腫瘍
なんでも拾った時から目の縁に小さな固まりがあったそうです。苦節7年、小さかった出来物をこんなに大きく育ててしまいました!?眼瞼の腫瘤は、眼瞼の全長の1/3までであれば、問題なく再建できるのですが、今回は1/3を超えていました。そして、瞼をひっくり返すと、なんか嫌らしい浸潤像があり「この色と言い、裏側のじわっときている感じは悪性ぽいですね〜」とお伝えしました。また、切除が1/3を超えたので、上の瞼を少し切除して、上下のバランスを取りました。(だから少し目が小さくなりました)
●悪性メラノーマ
7日後の病理検査の結果は、悪性腫瘍であるメラノーマでした。眼にできるこのメラノーマは、転移は少ないのですが、それでも悪性腫瘍ですので、注意が必要です。幸い、血管への浸潤は無く、完全切除できているとの報告でしたので「ホット」しました。
●「気づく」こと
腫瘍ができたということは、これは「大切なサイン」と認識すべきです。完全切除がなされたとしても、悪性腫瘍が体にできるということは、免疫が低下していると理解できます。これからは、食事、生活環境を精査して改善に取り組まなければなりません、飼い主さんとじっくり相談しながら、同じ過ちを繰り返さないようにしたいと思います!まずは、オメデトウごさいます。
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「年寄り物語」10歳レオン 超BiGな子宮蓄膿症! [News]
●レオン ♀ 10歳 ピレネー
子宮蓄膿症とは、子宮内に膿が溜まる病気です。ほとんどが細菌感染が原因です。生理時に子宮粘膜が剥がれ落ち、その際に防御能の低下が起こり、細菌の侵入を許し、約生理1か月後に感染が起こり発症するのが通例です。レオンは、7日前から陰部より膿が見られましたが、飼い主さんは様子を見られていました。昨日、立てなくなった上に、あまりに大量の膿が出たので吃驚して来院されました。7日間の食欲廃絶、発熱、脱水、貧血などの症状があり自力で歩くこともできず、ずいぶんと衰弱していました。
●ヘビーな子宮
たっぷり膿が詰まった子宮を摘出しました。既に陰部から膿が排出されていましたから、当初は、5kgほど溜まっていたことが想像されます。比較に出している内側の子宮は、ダックスフンドの物すが、これも異常を伴ない少し大きくなっている子宮です。今回の子宮が、いかに大きくなっているかが分かります。
●異常な卵巣
小さな粒粒が寄せ集まった卵巣です。正常では一つの膨らみであり、このようにブドウの房の様に変化することはありません。
●乳腺腫瘍
左の第5乳腺部分にこのような膨らみが見つかりました。飼い主さんは、ずいぶん前からご存じでしたが、そのままにしていたそうです。今回、子宮・卵巣摘出と同時に切除することをお勧めしました。この乳腺は、多くが水分で膨らみ、その中に、約1cmの腫瘤が発見されました。当然、病理検査へ提出し、悪性、良性、切除範囲の診断を行います。良性であることを願います。
●抜糸時のレオン
数日間、立てませんでしたが、抜糸時にはすっかり元気になり食欲も改善し、自力で歩いて来た姿には感動でした。
深い角膜潰瘍 [News]
●角膜潰瘍
以前、皮膚病で紹介した「パコちゃん」。今回は角膜に深い大きな穴が開いてしまいました。皮膚のチェックに来られた時に見つけたのですが、飼い主さんが気付かないまま、既に大きく深い穴になって角膜が破れる寸前でした。早速、角膜縫合を行い、その上に3番目の瞼を被せて治癒を促しました。
●結膜フラップ
一回目の手術では、角膜を完全に再生させることができなかった為に2回目は結膜を使った弁を角膜の穴に被せる手術を行いました。最初の手術より、この手術の方が直りが良いのですが、角膜の中央部に瘢痕が残り、視野を狭めてしまうので、あえてこの方法を選択しなかったのです。暫くして、このフラップを切断して、フラップの血行を絶つと血行を失ったフラップは、段々と小さくなっていきます。最後には、角膜表面に白い瘢痕となり治癒が完成します。
●短頭種
鼻の短い犬種(パグ、シーズー、ボストンテリア)は、目と鼻の距離が無いので、臭いを嗅ぎながらよく目を痛めます。散歩および家の中での環境に注意して、目を傷つけないように気をつけましょう!