角膜ジストロフィー [News]
●白内障ですか?
目が白くなってきたと来院される方の一部に、この角膜ジストロフィーがあります。角膜ジストロフィーとは、角間の上皮と基底膜、角膜固有層、あるいは内皮に白い混濁がみられる場合を言います。このケースは上皮性で変性で遺伝性異常のために生じたと思われます。
コレステロール、トリグリセライドの濃度が高い場合には、問題としなければなりませんが、直接の原因にはならないといわれます。角膜変性は脂質、カルシュウムが沈着する病気でジストロフィーとは別の病気と考えます。
上記のとおり目が白いからと言って白内障ではありません。この度のジストロフィー、角膜変性、角膜浮腫、角膜潰瘍、核硬化症(老眼)などがありそれぞれ対応が異なるので鑑別が必要です。
●ジストロフィーの治療
治療は、角膜炎を伴わなければ、必要とされません。重症であれば、角膜表層切除も勧められます。重度の内皮ジストロフィーでは、角膜移植も考慮されます。
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輪ゴムは使用してはいけません! [News]
●化膿処置 ミキ 1歳 ♂
ミキちゃんのケースは、踵を咬まれて腫れ上がり、いつまでたっても治らないと来院されました。
関節部分の化膿でした。数か所咬まれてスペースが沢山できていたので、チューブを固定して排液を行いました。
●自宅治療の副作用
排液を吸収するため、傷を保護するためにバンテージを行いますが、舐めたり、振ったりすればそのバンテージが取れてしまうことがあります。
もし、自宅で取れてしまった場合には、同じ様に被っていただくことは良いのですが、伸縮包帯でしめたり、今回の様に輪ゴムで止めては絶対にいけません!飼い主さんは、ズレの防止として膝下を輪ゴムで止めていたために、3倍にも腫れ上がってしまったのです。下の反対側の健康肢と比較すると腫れの程度が分かります。
幸い著しい浮腫で来院されましたが、長期に放置すると壊死して断脚しなければいけない状況に陥ってしまうこともあります。くれぐれも自宅での治療には気を付けましょう!
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推奨!腹腔鏡を用いた避妊(子宮、卵巣摘出)手術 [News]
●ボルゾイ ♀ 28.6kg ヴィヴィアン
わざわざ島根県(浜田)からお越しいただきました。目的は、腹腔鏡を使用しての避妊(子宮・卵巣摘出)手術です。胸の深い犬種、大型犬では、避妊手術が難しくなります。と言うのも腹壁から卵巣までの距離が深く、卵巣靱帯を切断して卵巣動静脈を結紮することができにくい故です。現在、開腹して糸を使わずに卵巣動静脈を結紮する方法が流行(?)していますが、卵巣が深い位置にあるケーズでこの器具を使用すると、一旦は止血できますが、張力が掛っているのでシールが甘くなり、術後に出血してしまう場合があり、とても注意が必要です。(実は、腹腔鏡を導入する前の私がその経験をしています)
●腹腔鏡下卵巣、子宮摘出術
腹腔鏡を使用して卵巣動静脈を切断止血する場合には、張力が掛らず、安心して止血することができます。
この度のヴィヴィアンちゃん、片側の卵巣に異常があり、3cmの切開になってしまいましたが、開腹手術と比較して低侵襲(ダメージ少なく)で行うことができます。
●推奨
上記の通り、大型犬、特に胸の深い犬種の場合には腹腔鏡手術が特に有益です。ヴィヴィアンは、少し神経質だったので、麻酔前から飼い主さんに同伴いただき(飼い主さんの希望でもあった)ついでに手術も見学され、夕方には元気に浜田へ帰りました。「遠方までご苦労様でした。」