広島県呉市「石崎動物病院」

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犬の化膿性胆管肝炎か?胆嚢炎か? [News]

●ダックスフンド 11歳 ♂

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他の病院で肝臓が悪いと思うが診断は良くわからない。紹介するが急に手術になるかも知れないと聞き、不安になって広島から来院されました。
突然の発熱、黄疸ですからIMHA(自己免疫性溶血性貧血)もリストに上げなければなりません。

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症状は、突発でした。身体検査で分かるほどの黄疸がありました。黄疸と言っても大きく考えて肝細胞が障害を受ける場合、肝臓外の胆道系が障害を受ける場合とがあります。ちなみに肝臓および肝外疾患の鑑別リストは、慢性肝炎、中毒性肝炎、ウイルス性肝炎、胆管肝炎、銅関連性肝炎、肝膿瘍、肝硬変、肝腫瘍、バイスタンダー肝炎、全身性疾患の2次的肝臓徴候、門脈シャント、門脈低形成、膵炎、膵膿瘍、胆嚢炎、胆嚢粘液嚢腫、外傷、胆嚢を巻き込む横隔膜ヘルニア、十二指腸炎、寄生虫など多数あります。

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●膵炎
犬の場合には、解剖学的な構造上、膵炎から総胆管が閉鎖されて黄疸になることが良くあります。また、ヨークシャテリア、ミニチュアシュナウザーの犬種では、高脂肪血症が危険因子と考えられていますが、今回のケース脂肪に関する数値は正常で、典型的な嘔吐、上腹部の痛み、超音波所見による膵臓のエコー原性の低下はありません。しかし、炎症マーカーであるCRP(炎症蛋白)の著しい上昇は見られます。膵炎の診断率の高い膵リパーゼ免疫活性を検査提出しました。この検査、残念ながら院内でできないので、少し時間がかかるのが問題です。

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●胆嚢炎
嘔吐、発熱、黄疸があることから胆嚢炎もリストアップしました。超音波所見は、多くの胆泥はありますが、特徴的な壁の肥厚、内膜が不正、胆嚢内のガスなどはありません。胆嚢穿刺により、胆汁を培養に出すことは診断価値が高いのですが、夜遅い診察でしたので、観察が疎かになることから明日とし、胆嚢炎時に予想される抗生剤を処方し、持続点滴、入院とさせていただきました。

●入院翌日
腹腔鏡による検査を予定していましたが、翌日から熱が下がり嘔吐もありません。膵炎の結果もまだ数日かかるので、現行の治療を継続することにしました。

本日、急性膵炎の検査結果が陰性で届きました。状況は改善され、黄疸の値も正常に近いところまできました。胆嚢炎、化膿性胆管肝炎を最終的に絞れませんが、これより抗生剤を最低6週間投与します。
明日は退院です!

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再度登場!ムサシの便り。 [News]

●ムサシ シーズー 5歳  
以前、歯科分野で登場したムサシ君ですが、今回は、腸閉塞で登場です。
稟告は、7月1日から下痢になりました。食事療法で経過は順調でしたが、一旦再発。3日後にはもとに戻りました。それから、5日後、今度は嘔吐が発生しました。

●緊急手術
嘔吐の量が多かったので、飼い主さんの胸騒ぎがし、急ぎ、浜田から車を飛ばして来院されました。

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「ガバット吐いた」と聞きましたので、触診を慎重に行うと「何か丸い、ビー玉か?しかし、ビー玉にしては動く様子は全くなし。本人は膨らんだ腸管を触るも違和感なし。」異物の閉塞を想定して、次に超音波へ進みました。超音波検査では、閉塞の特徴である腸管の液体貯留。その液体は動く様子が無く停滞している感がありました。
飼い主さんに、急ぎ切開することを進めて緊急手術になりました。閉塞している部分は、小腸の最後の部分である回腸で、時間的に早かったので、腸の血行は保たれ変色はありませんでした。

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●切開、縫合
犯人は、梅の種でした!梅の種の手前の腸は拡張し、梅は全く動かない状況におちいっていました。基本的な切開と縫合、そして、その縫合部に大網を巻きつけて終了しました。飼い主さんの素早い対応で腸管の切断吻合に至らなく幸いでした。

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●惜しかった梅干
何が惜しかった?というと、今回閉塞していた場所は回腸でした。後3cmで結腸に到達できました。結腸まで行けば便として排出されていたと思います。しかし、梅の種も力尽き、動かなくなってしまったのでした。
残念、無念・・・・。

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●4日目のむさし君
飼い主さんは遠方の島根県、浜田市の方ですので、抜糸までの入院になりました。この写真、術後4日目です。

ムサシ君は言いました「父さんへ、暑い毎日が続きますがその後いかがお過ごしでしょうか?さて、この度は、ちょっとつまんだ梅の種で大変ご迷惑をお掛けしました。傷の具合も順調で、食欲もあり、皆に可愛がってもらっていますので安心してください。次回は腸に引っかからない程度のサクランボの種にしますね(笑)。退院が待ち遠しいですが、後5日ほど居る予定です。もう少し待ってて下さいネ!」

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頚部椎間板ヘルニア [News]

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●ジャフ ♂ 10歳
肢をひどく痛がり、突然「ギャーン」と鳴く主訴で来院されました。症状、首の固さ、犬種から頚椎ヘルニアと仮診断して治療に入りました。性格的にかなりアグレッシブなので首をバンテージ固定することにしました。

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●2週間に一度
安静と伝えつつも、ジャフには分かりません。飼い主さんの協力を得るも、2週間もするとバンテージはボロボロになります。「残り21日、頑張ろう!」と応援メッセージ付きの新しいバンテージを装着して、今日も元気よく帰宅しました。痛みの伴う時は、針とレーザーを行いましたが、現在は痛みはなく、オゾン療法のみの処置を行っています。

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首には針が刺さっているのです。

●ポメ ♂ 10歳
「半年前から肩の方を触ると鳴く」「時折ギャーと鳴く」との主訴で来院されました。
神経症状はありませんが、首の周りに軽く圧を加えるだけで、痛そうに首をすくめます。そして、首の周囲の筋肉はかなり固くなっています。頚部ヘルニアと仮診断しました。

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針とレーザーで痛みを取り。バンテージ固定しました。そして、オゾン療法を追加しました。丁度、上記の「ジャフ」が来院していましたので、飼い主さんがジャフを見るなり「うちの子にも、同じ様にしてください!」とすんなりバンテージをご理解いただき装着になりました。安静は約2か月、大変だと思いますが頑張りましょう!

●コンセプト
先ずは、MR撮影を行って原因を追究しなければいけないことは理解しています。また年齢的にも脳、脊髄腫瘍も考慮しないことも承知です。その話をしつつ、飼い主さんに選択いただき、この対称療法をとります。
この方法を行いながら、症状が進行するのであれば、検査、手術もお勧めしまが「できれば切らないで治るのであれば」が基本方針です。
オゾン療法は、周囲の炎症を取り、筋肉を緩めることで突出したヘルニア物質が治まる症例(人の報告)もあります。
神経症状が出ていなければ、先ずは、安静、固定、針、オゾン療法を行うのも一手段です。
この2件は、神経症状がほとんど出現していません、共に著しい痛みです。明らかにふらつく、歩行できないなどの症状がある場合には、手術をお勧めします。誤解が無き様お願いします。

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