高度最先端医療
腹腔鏡による卵巣遺残摘出術 [高度最先端医療]
●卵巣遺残
大型犬/著しい肥満犬/胸の深い犬種では、開腹して卵巣を引き出す作業に困難を生じることがあります。そして、まれに卵巣の一部が取りきれずに残ることがあると聞きます。
今回、このケースでは「不妊手術をしてもらったが、出血と陰部腫大を定期的に繰り返す。」主訴で手術を行った病院の先生の紹介で来院されました。
●残存卵巣摘出術
映像で見られるように卵巣の一部が腎臓後方に残っているのが分かります。僅か8mmほどの組織ですが、完全切除を行わないと発情を繰り返すことになります。
超音波であらかじめ確認を行い、腹腔鏡で狙いを定めてアプローチしました。
●その後
半年後、いつものように発情(陰部出血、陰部腫大)を起こさなくなり落ち着いたそうです。不妊手術の目的は、@子供をできなくするA発情を止めることだと思います。卵巣の一部でも取り残しがあると、手術後も継続して発情を繰り返します。特に胸の深い大型犬になると卵巣を引き出すことに苦労を要します(私も以前は苦労していました)ので、腹腔鏡による手術は、痛みの軽減だけでなく、卵巣を確実に完全に切除できる点も有益だと言えます。
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動画 腹腔鏡による腎臓生検 [高度最先端医療]
●腎臓生検
腎臓生検とは、肝臓、膵臓生検と同じく腎臓の一部組織を採取して診断する方法です。一般てきではありませんが、蛋白漏出性腎炎の最終診断で、アミロイド―シスと糸球体腎炎を鑑別するために有効な検査となります。
超音波装置を使用して材料を採取することも可能ですが、腹腔鏡を使用した方が確実で安全に行うことができます。