広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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2009年05月10日(日)

17歳、八チ復活! 「年寄物語」その3 [News]

「年寄り物語その2」
●年寄りに問題が生じると、飼い主さんは皆口をそろえて言います。
「もう、年だから・・・」と。
今回は、1年前より気づいていながら、いつもの「年だから・・・」
という理由で、大変な状態におちいった話です。

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●ハチ 17歳  雑種 ♂ 
1年前に病院の身体検査にて胸部に小さな「でき物」を見つける。
針を刺して細胞を検査し、悪性腫瘍の疑いを告げる。
しかし、手術は、家に持ちかえって考えるとのことだった。

●その後、連絡が無かったが、1年後、「腫瘍が裂けた!」と突如来院する。
腫瘍は、1年前の10cmから30cm程に成長し、中心部分に穴が開き、出血と壊死が見られ異臭を放つ。
食欲が無くなり、歩くこともままならず。

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●まず、脱水があったため点滴を行う。
貧血、低蛋白は、ギリギリの許容範囲だったので、点滴後、スタッフ一同と緊張しながら慎重に麻酔に入る。

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●この部分は、皮膚に余裕が少なく、縫合が大変になる。
しかし、腫瘍を取り残す訳にはいかず、いっぱいいっぱいの皮膚の状況に、少し不安になる。何とか縫合終了。
縫合後、緊張を解除するために、細かい減張切開を施す。

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●所要時間約1時間。無事切除完了。
術後に徹底した疼痛管理を行うために3日間入院。
食欲、元気共に回復し、飼い主大喜び。
「もっと早く手術すべきだった・・・!」といつものセリフをこの度も聞く。

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●今回もいつもの「年寄り物語」でした。
1年前に切除していれば、これほど大きな傷にはならなかったと思います。今回は、腫瘍が大きくなった上に、傷口からの出血、蛋白漏出の悪条件も加わり、麻酔の危険性が増加していたのでした。

●お年寄りの動物を持つ飼い主さんへ
腫瘍は、見つけたら年だからと言って大切にせず、直に切除することを心がけましょう。
(特に12歳以上にこの傾向あり!)
様子をみて、どうしようもなくなった時に踏み切るのは、お気持ちは分かりますが、さらに年を重ね、さらに危険性が増しているということをご理解ください。
”いずれにしろ切除するのであれば、どうかお早めに!”

●追伸
先週無事に抜糸を終了しました。
貧血も改善され、食欲、元気も増加し、来院された当時の「もう年だから諦めよう・・・」と思った飼い主さんも、今では夢の様な思いだそうです。目出度し、目出度し。

20時21分


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