広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

News

RSS1.0


2010年03月21日(日)

爪のできもの? [News]

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●ラブラドル、♀
11歳なのに物凄く元気!話を伺うと、1年程前から指が腫れているそうです。抗生剤を処方してもらったが、腫れが少しは引くが痛みはおさまらないと、当院の飼い主さんのご紹介で来院されました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●確かにデカイ!
隣の指と比較しても分るように、かなり腫れています。しかし、膿が出るわけでもないので、レントゲン撮影後、指の切断をお勧めすることにしました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●レントゲン写真
基節骨(爪についている骨)が短く変形している像が見られます。レントゲンで見ると、いかに大きく(4倍)なっているのかが分かります。

画像(247x330)・拡大画像(480x640)

●切断直後
レントゲン像を考慮して、先端部分だけでなく指の付け根から切除しました。特に歩行には、問題は出ませんので、一本指が無くなり寂しくはなりましたが、痛みが無いことがなによりだと思います。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●病理検査へ
腫れた指の部分の切断面を見ると、組織の変化が見られました。良性、悪性かは分りませんが、肉眼的に異常を感じます。病理検査の結果を待ちましょう。

●3日後の検診
今日は、術後3日後の検診でした。
傷は凄くきれいで、飼主さんの話では、前より痛みがなくなったせいか、動きが良い気がするとのことでした。良かったです!後は、数日後の抜糸に来院していただければ終了です。

●悪性腫瘍
病理結果は扁平上皮癌でした。「この腫瘍は、表皮を形成する扁平上皮細胞(有棘細胞)が腫瘍性に増殖する悪性腫瘍です。イヌでは約66%は口腔内に発生し、皮膚では約26%、その他乳腺、鼻腔内などにも発生します。皮膚に発生した扁平上皮癌は、口腔内に発生した扁平上皮癌と比較すると予後は非常に良好ですが、局所再発を示すことが多いと言われています。また、転移の頻度は比較的低いため、多くの症例では転移はありませんが、未分化で悪性度が高い場合はリンパ行性に肺に転移することが知られています。」との結果でした。予後に注意しながらご指導していきたいと思います。


関連タグ :

10時43分


ページのトップへ

  • お問い合わせ
  • スタッフ募集
  • 石崎動物病院の日々

検索

キーワードリスト

最近の記事

リンク集

powered by a-blog

[Login]