広島県呉市「石崎動物病院」

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2010年06月10日(木)

猫の肥満細胞腫 [News]

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●小さな[出来物]?
1cm未満の小さな「いぼ」の様なものができたそうです。

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●肥満細胞腫とは?
「出来物」から採取した細胞の観察を行いました。
青い丸い核を持った細胞と好酸球(ピンクの顆粒)が見えます。青い細胞が肥満細胞です。肥満細胞は正常組織に存在しますが、その細胞が特定箇所に増殖することは異常です。

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●核分裂像
中央に見えるのが、肥満細胞の核分裂像です。顆粒が少ない肥満細胞と核分裂が見えます。顆粒の少ないことは悪性所見(その他:核小体が大きい、核が大きい、核の大小不同がある)につながりますが、核分裂所見は悪性度が低い場合にも認められます。猫の場合は犬と異なりグレード分類が確率していませんので、可能であれば大がかりな完全切除を行います。

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●完全切除
完全切除をするため腫瘍から2cm以上の切開、そして、深さは筋膜までの切除を行います。この組織を丸ごと病理検査に提出して切除確認を行います。不十分であれば、再手術が必要になります。また、転移観察の為に、一緒に腹部の超音波検査を行いました。もし、脾臓が大きかったり、膨らみが見えたりしたときには、その部分をさらに観察する必要があります。また、嘔吐と脾臓が大きくなっている同時所見があれば、正常に見られる画像でも、積極的に検査を行う必要があります。

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●術後
僅か8mm程度の腫瘍でしたが、上記の通り大がかりな切除を行いました。したがって痛みの管理は、徹底しておこないます。術後の病理検査は、低悪性度の肥満細胞腫との報告でした。切除範囲は完全で安心しました。飼主さんは、数日前に他の猫ちゃんを亡くされて深い悲しみをお持ちでしたので「ホット」しました。


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07時27分


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