広島県呉市「石崎動物病院」

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2010年06月21日(月)

猫の腸管腫瘍 [News]

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●春 三毛猫 ♀11歳
昨年3月から食欲が落ち、徐々にやせてきたそうです。他院にて色々と検査をされた様ですが、原因追求まで至らず遠方よりお越しいただきました。定期的な嘔吐を繰り返し、食べる気はあるが、食べた後に必ず吐いてしまうとのことでした。白血球の軽度の上昇と中毒性変化がみられることから、体のどこかに炎症があることが疑われました。既に検査をたくさんされていましたので、まずは、腹部の異常にしぼって、超音波検査をさせていただくことにしました。

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●超音波所見
胃の運動低下。小腸の形が異常にみられる部位の存在。膵臓周辺の異常像。リンパ節と思われる腫れの存在。他にには、胆泥貯留などが気になりました。
ここ数日食事を食べていないこと、明らかに腹部に異常がみつかったことから、腹腔鏡を用いた検査をさせていただくことにしました。

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●開腹へ
腹腔鏡で明らかに腸の閉塞様所見がみつかりましたので、急ぎ飼主さんにご相談の上、開腹手術に切り替えました。

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●腸閉塞
お腹全体に炎症所見があり、小腸の一部が腫瘍化し閉塞している部分が直ぐに見つかりました。術後にその部位を切開すると腸の管の部分は、ほとんど閉鎖され液体も通らない状態になっていました。全体像からするとリンパ腫が疑われます。

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●腸吻合
腫瘍と思われる部分を広めに切除し、腸の上下で大きさを調整して、結合させました。

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全周を縫合し、漏れがないことを確認します。その縫合部に予防的に大網をかぶせて固定します。

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●術後
11歳と言う高齢、また食事もしばらく食べれない状況下で長時間の麻酔でしたので、特に麻酔管理に気を使い大変でしたが、無事覚醒し、その日の夜にはお帰りいただきました。
翌日からは、嘔吐が「ピタッ」と止まり、顔つきもよくなり不快感が無くなったと聞きました。また、食事も少量ですが、生きよい良く食べ、その後も吐いていないという嬉しい報告を受けました。これから検査結果の報告がまっていますが、とにもかくにも前向きに物事を考えていただくようにご指導させていただきました。「春ちゃん、一緒にがんばろう!」


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12時36分


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