広島県呉市「石崎動物病院」

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2011年09月16日(金)

耳の悪性腫瘍(遅れた判断) [News]

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●三毛猫 16歳 ♀
「2年前に、他の猫に耳の先端を噛まれて傷になり、その部分を気にして引っ掻き続け耳が無くなってしまった」との主訴でした。1年前から病院に通うが、年齢的に手術ができないと言われ、昨日来院されました。

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●溶解した耳介
飼い主さんは、外傷からこの状況になってしまったと思われていましたが、外傷がいくら進行しても、耳を溶かしてしまうことは決してありません。
傷は、溶解している組織と増殖している組織が見られます。見た目では判断してはいけませんが、稟告の歴史と傷の状況から扁平上皮癌を最も疑いました。
★この度、激しい写真を掲載したことをお詫び申し上げます。


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●細胞診
細胞は、たくさん取れませんでしたが、扁平上皮というより線維肉腫を疑います。悪性所見はあります。

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●今後の計画
耳介が溶け去り、さらに奥の耳道に浸潤波及している状況です。そして、慢性腎不全を持ち、中等度の脱水があります。確かに麻酔をかけるには危険を伴いますが、このまま腐った状況を放置する訳にはいきません。飼い主さんと十分に話し合い、万全を期して処置を行うことにしました。

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●数日後の処置
慢性腎不全の管理を行い、数日前から脱水をとって麻酔をかけて@胸のレントゲンA耳の炭酸ガス処置B凍結処置C術後の食欲不振を考慮して胃チューブ装着を行いました。

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●切除軟骨
レーザーで切除した耳道の軟骨です。軟骨以外の耳の組織の9割は、無くなっていました、

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●翌日
見た目は、初日と変わらなく見えますが、かなり綺麗になっています。腫瘍組織は凍結処置により破壊していますので、多くは壊死して脱落します。

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ともかく、第一段階終了です。明日は、退院です。
耳からの持続出血がなくなり、来院された時より元気になった気がします。腫瘍を完全に除去できるかどうかこの段階では分かりませんが、除去できた折

には、皮膚弁による縫合を行いたいのですが・・・・。


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19時00分


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