広島県呉市「石崎動物病院」

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2012年04月21日(土)

犬の喉頭麻痺 [News]

●ゴーデンレトリバー、♂、12歳、ボブ
突然呼吸状態が悪いと電話が入りました。
予想通り、呼吸が著しく早く、チアノーゼ。今にも息が絶えそうなので急ぎ血管を確保して、麻酔をかけて気管チューブの挿管、そして、酸素を送り緊急事態を落ち着かせました。
血液検査、超音波検査、レントゲン検査、喉頭検査の後、原因は突発性喉頭麻痺(喉頭部分が麻痺して、喉頭が十分に解放することができず、呼吸困難に陥る状態)と診断し、急遽、緊急手術に入ることになりました。しかし、数分前に緊急の眼科手術が入っていたため、麻酔を維持したまま順番を待つてもらうことになりました。

●喉頭麻痺とは?
喉頭麻痺は、上部気道の入り口である喉頭の披裂軟骨の外転不全により発生すると言われます。原因は、外傷、腫瘍、代謝異常、免疫疾患、突発性などが上げられます。突発性では、高齢のラブラドル、レトリバーに多い(全体ではまれな病気)疾患です。

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●手術内容
喉頭麻痺の手術はかなりの難度があります。
先ず、輪状軟骨(青)と甲状軟骨(黄)の付着部をはずし、そして輪状軟骨と披裂軟骨(赤と桃)の付着部を外します。そして、外した甲状軟骨と披裂軟骨を合わせて縫合(★と★)し、披裂軟骨を引っぱり片側の空気の出入りを確保します。

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●緊急手術
緊急状態のため原因を追究する時間が必要でした。また、緊急眼科手術があったため開始時間が遅れ終ったのは朝の3時でした。そして覚醒後の管理を行い安心して帰宅できたのは、5時半でした。昨日は病院の早朝勉強会も重なり、約24時間働いたことになります。
最後まで付き添われた飼い主さん、そして、スタッフの皆お疲れ様でした。ハードな一日を最後までよく頑張ってくれました。感謝!

●3日後
あんなに死にそうになっていたのに、じっとできないぐらい元気になり、無事退院となりました。この手術の副作用で軽度の咳が常にでることは、我慢してもらわなければなりませのでご理解ください。

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●術後7日目
今回、術後患部を圧迫できなかったので、液体貯留は予想していましたが、傷はきれいで、内部の液体もきれいでした。呼吸も落ち着き、食欲も旺盛、元気は抜群ににあります。副反応の咳もなくなりました。

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一命をとりとめたボブの回復に飼い主さんも我々も遅くまで頑張った甲斐がありました。皆感動の一出来事でした。


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03時41分


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