News
身体検査を体験して、学んだこと。 [News]
●キャバリア 6歳 ♀ ももチャン
身体検査を希望して、初めていらっしゃいました〜♪。
迷惑そうな顔をしていますね〜。
「モモちゃん」は、少しシャイで、良く気がつくタイプでした。大人しくて、良い子で、頭〜肛門までの検査を、快くとはいきませんが、我慢して許してくれました。ヨシ、ヨシ。アリガトーウ!
●肛門嚢の異常
これは、便ではありません。
肛門の両側に肛門嚢という袋が存在するのですが、その袋に蓄積した、左右の分泌物の塊です。長年閉鎖状態になっていたので、大量に堆積していました。この状態を放置しておくと、感染を起こして破裂する可能性があります。危険!
●左右の外耳炎
耳の入口は、比較的きれいでした。
しかし、耳道を耳鏡でのぞくと、耳垢が中程度見つかりましたので、洗浄を繰り返しました。
そして、その耳垢検査から、マラセジアという酵母の感染が見つかりました。
他には
●両後肢のオサラが先天的に外れる(膝蓋骨内方脱臼)
●中等度の肥満
●結膜の軽度の充血
●軽度の歯石の蓄積
が検出されました。
飼い主さんは「何も問題がないつもり」でいらっしゃいましたが、この様に様々な異常が、発見されました。
皆さ〜ん。
「元気と思っても身体検査を!」
「年一度の身体検査を!」
「早期発見に身体検査を!」
お忘れなく!
突然、頬が腫れました! [News]
パピヨン ♂ 6歳
「突然眼の下が腫れてきた!」と来院されました。
一見、眼の問題の様に見えますが、老齢犬で良く発生するこの原因は、歯の根っこ先端部分が感染し、膿がたまる病気です。
多くは、歯石がたっぷりとついていますが、なかには、歯は奇麗だが根の部分のみに感染が発生するケースもあります。
<写真>
左眼の下が腫れています。
治療法は、抜歯です。
根冠治療もありますが、ほとんどのケースで抜歯になります。
<写真>
左側2本の根は、奥まで歯石が入り込み、1本の根でのみ付着していました。歯石が入り込んで根の先で膿瘍を形成して、上の写真のように眼の下が腫れてしまいました。
予防は、歯石をつけないことです。
また、着いてしまった場合には、早期に歯石を除去して、根の部分に歯石を侵入させなことが肝要です。
<写真>
まんべんなく、歯石が付着しています。
<写真>
問題の第4前臼歯です。
周囲の歯にも、多くの歯石が見られます。
<写真>
歯にかぶさる歯石を除去すると、根まで歯石が侵入しているのが分かります。(黒い部分)
通常、2〜3mm程度しか、歯肉のスペースはありません。
<写真>
しかし、プローブ(探子)が奥までしっかりと入り込んでしまいます。(約2cm)
つまり、歯茎と骨膜の接触がなくなり、奥まで歯石が侵入してスペースが拡大し、先端の膿瘍とつながっていることが分かります。
ということで、歯石が付きにくい生活(生肉を食べる)と定期的な歯の検診を行い、早期ケアーを行うことがこの病気の予防につながります。(11月〜3月が当院、歯石クリーン推進月間)
いつまでも、白い歯を残せるように頑張りましょう!
涙管洗浄について [News]
●鼻涙管閉塞をご存知ですか?
余剰な涙は、上下の瞼の内側の涙点という穴から鼻涙管を通って鼻、あるいは口の中へ排出されます。
<写真>
上の瞼の涙点から、細〜い、閉塞物が糸を引くように見えます。
●症状
その排泄路の閉塞があると、涙焼け(余剰な涙が溢れて眼の内側の毛が変色)が起こります。
<写真>
同じく、下の涙点から、閉塞物が見えます。
●治療
多くが分泌物で閉塞していますので、涙点から排泄路を洗浄します。まれに先天的、あるいは、猫ちゃんの風邪の経験から涙点が無い場合があります。この場合は、治療の手段がありませんが、まれです。
<写真>
洗浄により、明らかに太い弾力性のある閉塞物が、鼻から排出しています。
処置には、軽い鎮静、あるいは、全身麻酔を行います。眼に点眼麻酔を施して行う方法もありますが、しっかりと観察、洗浄できないので、お勧めしません。
「涙焼け」に気がついたら、検査は、無麻酔で簡単にできますので、気楽に受けてください。