広島県呉市「石崎動物病院」

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猫の黄疸2 [News]

●ビゼー 1歳 ♂ 日本猫Mix
猫の黄疸の原因は様々あります(以前の猫の黄疸1を参照ください)が、今回の原因は、赤血球に寄生するマイコプラズマにより著しい黄疸を呈した例です。
「散歩に出て帰宅すると黄色くなっていた」が主訴でした。血液量11%(正常値 >28%)、総ビリルビン量27.7(正常0.1-0.4)、体温39,2度。元気、食欲なし。

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●口唇部
早期に黄疸を判断するのは、目の結膜、口腔内の軟口蓋部領域を観察するのが良い場所ですが、今回は、どこを見てもまっ黄色で、一目でわかる重症例でした。

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●内股部

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●血液塗抹
血液を一滴スライドグラスに垂らし薄く延ばし、赤血球を1000倍で観察します。赤血球がまばらに見えるのは貧血を物語っています。真ん中の青い塊は血小板、左端の青い濃い塊は白血球です。

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赤血球の縁に見える青く丸い小さな点がマイコプラズマです。

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●治療
治療は抗生物質を投与し、全身状態、血液量、血液の寄生虫の状況を判断しながら投与期間を決定します。約1ヶ月の処方で、血液量は25%に回復。食欲、元気も改善しました。

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犬の口蓋裂 [News]

●ダックスフンド ♂
口蓋部分は、硬口蓋と軟口蓋が存在します。以前に硬口蓋における手術をさせていただきましたが、術後からも状態は変わらず、泡状の鼻汁が出続けていたそうです。この度、再び残りの軟口蓋整復の依頼を再度いただことになりました。抱いている飼い主さんの顔が、泡だらけになる程に激しい鼻汁でした。

●アメリカ軟部外科専門医
上記の通り硬口蓋における口蓋裂は、以前に手術させていただいたのですが、軟口蓋部分における経験が無く、試みることを躊躇していました。この度、アメリカから軟部外科専門医 Mark Rochat先生(オクラホマ大学教授)が来訪された折に、その手技及びその手技が使えない場合の次の手段について、詳しくご指導いただく機会を得ました。

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左は息子さん

●術前
口を開けると大きく穴が開いているのが分かります。食事をする際、あるいは、唾液が鼻道に侵入しているため、持続性の炎症が発生しているのを認めました。

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●術後
先天的に末広がりに拡大した穴を閉鎖しました。粘膜の緊張が強い場合には、諸々の処置をすることを指導いただきましたが、緊張感は、見た目より緩く定法通り閉鎖することができました。

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Mark先生のご指導により安心して手術を行うことができました。術後の状態も良く、著しい鼻汁は一切消えました。飼い主さんに長らくご迷惑をお掛けしたことをお詫し、また、再び私にチャンスを戴けたことに感謝申し上げます。

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犬の肉芽腫性結膜炎 [News]

●瞼に腫瘍らしき物ができ「瞼を広範囲に切除しなければならない」と言われ恐くなって来院されました。確かに瞼に数カ所の腫れがありますが腫瘍とは言い難く、いきなり大きく切除して調べる方法も一つのアイデアですが、まずは慎重に、患部の一部を病理検査に提出することをお勧めしました。

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●生体検査
結節のある一部分を狙って、組織を採取しました。

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●病理検査
病変では、多数の組織球の浸潤が起こり、肉芽腫性結膜(結節性強膜炎)の可能性が一番に考慮されるとのことでした。肉芽腫性結膜炎は、原因不明ですが、免疫介在性疾患と考えられています。

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●その後
免疫抑制剤の点眼薬でコントロールが進み、眼瞼結膜と結膜の結節は認めなくなりました。徐々に点眼回数を減らし切り離しを行う予定です。
眼瞼に結節ができる疾患の一つににマイボーム腺の閉塞があります。マイボーム腺は、涙液の油を担う役割を行いますが、肉眼的に特徴があり鑑別可能です。瞼が腫れるといっても色々と鑑別が必要になり、時には今回の様に組織を採取して検査が必要になることもあります。

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