広島県呉市「石崎動物病院」

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2010年08月27日(金)

猫の拡張型心筋症と口内炎 [News]

●主訴
他にて口内炎で定期的に注射をうってもらっていたそうです。しかし、最近、注射の効果が薄れ、ご飯をほとんど食べなくなったという主訴で来られました。

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●レントゲン撮影と超音波検査
確かに下顎の左右に大きな潰瘍と歯石が見られました。全抜歯をお勧めする状況ではなく、潰瘍の治療を行えば良いと判断しました。しかし、口内炎の処置とはいえ、15歳での麻酔ですので、この年齢であれば強制的に胸部のレントゲン撮影をさせていただきます。あれれ、レントゲンをみると肥大型心筋症思わせる特徴的なバレンタインハート型をしています。レントゲンでの異常が見つかったので、引き続き超音波検査をさせていただきました。

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大きく左右に広がった心臓。また、胸水も認められました。

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●超音波検査
レントゲン検査で想像していた肥大型心筋症ではなく、著しく左右の心臓が拡張した拡張型心筋症と思われました。さらに、左右の弁では著しい逆流見られました。
心筋症とは、大きく分類して、心臓の壁が厚くなる肥大型心筋症と逆に薄くなる拡張型心筋症があります。猫ちゃんでは、肥大型心筋症が多く発生します。

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●口内炎治療と食道カテーテル装着
強心剤を点滴し、軽い麻酔を施しました。大急ぎで口腔内の潰瘍を炭酸ガスレーザーで除去しました。次に食欲が無いことと、急ぎ心臓薬を開始する必要があるので、食道にカテーテルを装着しました。この間、約10分間。心臓が余りに悪いので、スタッフ一同気が抜けない緊張の一瞬でした。

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●今後と注意事項
明日より食道カテーテルから心臓薬を開始し、落ち着いたところで、再び口腔内クリーニングができれば理想ですが・・・・際どい心臓ですから、どこまで頑張れるか心配です。再び飼い主さんと楽しい日々が少しでも取り戻せるようにスタッフ一同頑張ります!

高齢とは言え、徐々に体重が減少してくるのは異常です。高齢であればあるほど、どこかに異常が隠されています。初めは見つけられないかもしれませんが、定期的に観察、検査させていただくことで、発見できる機会が増します。どうぞ、めんどくさがらず、食欲があっても痩せてきたら病院へ足を運んでください。


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21時00分


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