広島県呉市「石崎動物病院」

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2010年10月07日(木)

貧血の原因は胃潰瘍。 [News]

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●散在する胃潰瘍
胃を開けてみると、大量に停滞した食物の処置に時間を要しました。なぜ、食物が大量に溜まってしまったのか?原因は、フエルト状の異物でした。そして、その影響で食べ物が長期に停滞し、散発する潰瘍が発生し、その潰瘍からの持続的出血により重度の貧血につながったと考えられます。今回の来院まで、かなりの時間かかっています。飼い主さんは、食欲があるから安心されていましたが、明らかに痩せてきていました。後手にまわってしまった手術が悔やまれます。

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●胃の穴
十二指腸に入る手前の胃に大きな穴が開き、既に腹膜炎が発生していました。腹水を培養検査に送り、大量の生理食塩水で腹腔内を洗浄し、潰瘍部分を切除して縫合しました。

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●潰瘍
胃の中に多数存在した潰瘍です。一部は深く上記のように破れていましたが、今後この潰瘍が速やかに治癒してくれることを願います。通常どおり、この切除部分は、病理検査へ提出します。

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●胃内容
飼い主さんの話によると、食べ物は数日前に与えた内容らしく、長期に胃に停滞していたことが考えれらます。その原因は、上記にも紹介した右側のフエルト様の端切れでした。飼い主さんには、覚えが無く、どこで食べてしまったか分かりませんでした・・・・。

●考察
初診で著しい貧血と血液の再生像が見られました。再生がみられる貧血は、@失うかA壊れるかです。尿、腹部における血液の存在はなく、消化管出血の指標である血中の尿素窒素は正常でした。よって、最初は、自己免液疾患を中心にすすめていました。しかし、黒い便の存在から展開が変わりました。再度、腹部超音波を見ると、著しく拡張した胃と腹水の存在。そしてその胃の中には、さまざまな映像が入り乱れていました。麻酔をかける状況ではありませんでしたが、内視鏡検査で異常を確定し、腹部切開へ移行しました。強硬な緊急手術となりましたが、無事に終わりなによりです。これから、回復に向けて腹膜炎の問題、存在する潰瘍の問題が残りますが、退院にむけて精一杯力を注ぐつもりです。


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09時25分


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