広島県呉市「石崎動物病院」

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2011年11月22日(火)

急性膵炎による胆管閉塞 [News]

●主訴
「食欲低下。数回の嘔吐、下痢は無し。」で来院されました。血液検査では、重度の黄疸がありましたが、溶血、貧血はなし。肝酵素、C‐反応性タンパクの著しい上昇がありました。黄疸の鑑別をするために、肝臓、胆嚢の状況を次の超音波検査で調べることにしました。

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●胆管閉塞
胆嚢と、大きく拡張し蛇行した胆管が異常を示しました。この状況は、胆石、腫瘍、膵炎などのよる閉塞が考えられます。

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●膵臓
12指腸の下側に見えるのが膵臓です。著しい炎症像は感じられませんが、黒く見える部分は組織壊死の可能性があります。膵炎の特異検査の提出を急ぎました。結果は、急性膵炎強陽性でした。これより、炎症を抑える点滴療法と食事療法を開始しました。

5日間は、黄疸が改善せず炎症の数値も高値でしたが、6日目からは改善傾向になりました。

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●まとめ
急性膵炎の特徴所見は、上腹部の痛み、消化器症状(下痢、嘔吐)です。今回は、消化器症状はほとんどなく、数日間の食欲不振でした。常に教科書通りに病気が出現する訳ではないことを認識し、広い視野で病気を絞り込んでいかなければなりません。(だから大変なんですね〜!)

8日後のロッキーちゃんです。見た目の黄疸は無くなり、食欲も通常通りになりました。3日後の退院を楽しみにしています♪。


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18時43分


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