広島県呉市「石崎動物病院」

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2011年11月29日(火)

猫の膵炎 [News]

●トラ次郎 ♂ 9歳 日本猫

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「7日前から後ろ足の機能障害(着きたがらない)がある、また、同時期に軟便、そして、以前より腎臓が悪いと言われた!」と島根県の北部から3時間を要して来て戴きました。
身体検査では、問題の後ろ足は若干過重しにくい状況ですが、痛がっている様子はありません。遠方ですので、次回の来院の大変さを考慮して、鎮静下でレントゲン検査、その他をさせていただくことにしました。

●腎臓生検
超音波検査で腎臓の腫大と腎皮質の高いエコー性があったため、穿刺検査を行いまいました。猫ちゃんはリンパ腫が多いので腎臓の腫大があった場合には検査をお勧めします。
これは、尿細管上皮細胞で正常です。

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●レントゲン検査
まずは、犬で多い前十時靭帯断裂を疑って、検査をしてみると、前方へ移動するサインが出ました!このサインが出現するとまず間違いはありません。他の異常も考慮して足先から骨盤まで撮影しましたが、特に異常なし。ということで、後ろ足は「前十字靭帯断裂」と診断しました。

●超音波検査
猫の膵炎は特徴症状がないので、例え軟便だけの症状でも腹部超音波を行うことにしています。検査を行うと、膵炎らしき映像が見つかりました。確認のために膵臓の特殊検査(膵リパーゼ免疫活性)を追加しました。ちなみに超音波検査の猫における感度は高くとも67%と言われます。

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●結論
足は「十字靭帯断裂」膵臓は「膵炎」でした。猫の膵炎は犬の様に、特異的な症状がなく、診断がとても難しいと言われます。超音波検査像で膵臓の存在が明確になれば、膵炎を強く疑いたくなります、そして、免疫活性が高ければ膵炎を仮診断しても良いと思います。
トラちゃんは、すっかり軟便もおさまり、2度目の免疫活性も低下し状態は落ち着きました。

17時22分


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