広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

News

RSS1.0


2014年12月03日(水)

膀胱鏡による犬の膀胱結石摘出と破砕 [News]

●再々の尿道閉塞
犬の膀胱結石の成分は、およそ同じ割合で3つのタイプに分かれます。@ストルバイトAシュウ酸Bその他です。今回は、尿分析を行っても成分が不確実だったこと、また、沢山の小さな結石が膀胱内に存在するために3回の尿道閉塞を起したことから、飼い主さんの希望により膀胱鏡を使用した低侵襲結石除去を行いました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●超音波検査
腎臓、尿管および膀胱内の結石を観察する際には、超音波検査をルーティンに行います。今回は、尿道閉塞を疑ったケースで、尿道に閉塞する結石が二つ描出されました。この結石はフラッシュして一旦膀胱内へ押し込みました。

画像(330x246)・拡大画像(640x479)

尿道内の2個の結石を認めます。

●膀胱内の多数の結石
尿道に閉塞するとともに、膀胱内には多数の結石が存在していました。

画像(330x246)・拡大画像(640x479)

●膀胱鏡の利用
通常の開腹手術による膀胱結石摘出では、アメリカの専門医でも20%の取り残しがあるという報告があります。よって、取の残し防止に、膀胱鏡の使用は有益です。

画像(330x283)・拡大画像(405x348)

膀胱内の結石を把持するところ

今回は、多くの膀胱結石が存在したので、大きなものは摘出し、他は細かく砕いて排泄を促すことにしました。

画像(330x281)・拡大画像(432x368)

膀胱内の結石を砕くところ

細かく破砕後の膀胱結石

画像(330x273)・拡大画像(436x362)

●採取した膀胱結石
採取した結石は、分析検査へ提出しました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●術創
膀胱鏡を使用したため、皮膚切開創は5mmと1.5pの2か所で、膀胱切開創は5mm1箇所で対応しました。小さな切開故に痛みが少なく、翌日からは、痛みがないので、はしゃぎ回っていました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●治療
膀胱鏡処置前に、既に尿の細菌培養を済ましていました。ちなみに、人間における抗生剤の耐性菌出現率は、オランダで1%、他ヨーロッパでは、30-40%、日本は、70-80%です。国民が抗生剤を好み、副作用の認識なく、漫然と使用する故の現状です。適切な抗生剤を選択し、高容量を短期間に使用することがとても大切です。


関連タグ :

17時06分


ページのトップへ

  • お問い合わせ
  • スタッフ募集
  • 石崎動物病院の日々

検索

キーワードリスト

最近の記事

リンク集

powered by a-blog

[Login]