広島県呉市「石崎動物病院」

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内科

タマネギ中毒、危機一髪! [News]

●ベッキー 6歳 ダックス ♀
「タマネギを食べたのですが、病院へ連れて行ったほうが良いですか?」とお電話いただきました。採取してから既に2時間経過しているので、果たして間に合うものか?と不安がありましたが、とにかく来院いただくことにしました。

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●嘔吐を促す
到着して直ぐに、嘔吐を促す注射を行いました。
まあ、出るわ出るわ、大量のタマネギが収穫されました(笑)。

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●怪しいベッキーの態度
今回の事件に飼い主さんは、気づいていませんでした。しかし、ベッキーの態度の変容には気づいたそうです。何か悪いことをした時には、いつも隅に隠れて申し訳なさそうな顔をするそうです。その顔を見た飼い主さんが、何かある!?と察し、今回の盗み食い事件が発覚したのでした。

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●タマネギ中毒
タマネギ中毒とは、タマネギ、ニンニク、ニラなどのネギ属に含まれる成分により、溶血性貧血を起こす有名な病気です。また、加熱しても毒性は消えないので、犬、猫には生だろうが、調理しようが食べさせてはいけません。副作用出現の採取量には、個体差がありますが、今回の量は明らかに大量でした。放置しておけば副作用が発生したと考えられます。幸い胃内に残っていいたので大事に至らず済みました。


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猫の伝染性腹膜炎(FIP)「完治を目指して!」 [News]

●メイ 8ヶ月 雑種
「時々吐いたり下痢をする主訴」で来院されました。
身体検査では、発熱(39.5度)、削痩、お腹の塊が見つかりました。
お腹の塊は超音波検査を行うと明らかに腫瘍らしき像を認めました。嘔吐の原因は、この腫瘤による閉塞と考え、早速に切除手術を行うことにしました。

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●超音波所見
膀胱の前方に塊状病変が見つかりました。

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●回盲腸部における腫瘤病変
拡張した回盲部に腫瘤病変と腫大したリンパ節です。
残念ながら大きく腫大した腸間膜リンパ節を除去することはできませんでした。

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病理検査所見との免疫染色により猫伝染性腹膜炎による腫瘤と診断されました。

*猫伝染性腹膜炎(FIP)とは?
猫コロナウイルスに感染した一部の猫が発症する病気です。病気のタイプは2つあり、@ウエットタイプ:多発性漿膜炎、血管炎を起こす Aドライタイプ:各臓器における肉芽腫性病変を起こす。

臨床症状は、ウエットタイプでは、腹水によりお腹が膨らみ、胸水により呼吸困難が見られる。ドライタイプでは、脳・脊髄に炎症が起こり、神経症状(麻痺や痙攣、行動異常)が見られます。眼におけるぶどう膜炎や脈絡網膜炎などを起こすこともあります。致死的な病気で、有効な治療はないと言われ、我々の経験でも救命したことはありません。

●治療(朗報!)
術後、直ぐに嘔吐と下痢が止まり食欲も出てきました。飼い主さんの考えは、FIPは難治性の疾患故に切除手術だけで今後は治療を行わない方針を示されました。
しかし、術後3週間から腹水がみられ、再び食欲がなくなってしまい、話し合いの結果、方針を変更して治療を始めることにしました。
週一回のオゾン療法と免疫注射を行うこと1か月、術後に発生した腹水、再発が見られた腹腔内塊状病変と腫大したリンパ節が消失し、体重も増加してすっかり元気になりました。

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飼い主さんはもちろんのこと、我々も凄く嬉しい朗報です、このまま維持、そして、完治することを願っています。


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犬の総胆管の閉塞 [News]

●プードル ♂ ケン 7歳
「いつも凄く元気なのに突然勢いがなくなった・・・」の主訴で来院されました。身体検査では、発熱、黄疸、脱水。血液検査では、著しい炎症、肝酵素異常、白血球増加がありました。急性膵炎を仮診断し、点滴に蛋白分解酵素阻害剤を混ぜて投与することにしました。

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●超音波所見
総胆管のサイズは、犬<3mm(通じ生みえない)猫<4mm(通常見える)です。ケンちゃんのサイズは4.5mm有りました。総胆管の閉塞は、膵炎、胆管結石、腫瘍などが考えられます。早速、調べた膵炎の検査値は正常でした。となると胆嚢内で影を引く結石らしき像が気になりました。

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●治療変更
急性膵炎を仮診断して進めていましたが、特異検査では結果は陰性でした。次に総胆管閉塞を考慮して、胆嚢の収縮を促進する薬に切り替えました。

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●2週間後
肝酵素、炎症、黄疸値が全てが下がりつつあり、普段と変わりない状況になりました。胆管サイズも正常にもどり、胆嚢内の結石らしき像はなくなっていました。引き続き超音波で経過を追いながら完全回復まで定期的に来院いただく予定です。

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