広島県呉市「石崎動物病院」

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猫の口腔内疾患 その2 [News]

●トム ♂ 14歳 Mix
「顔が著しく腫れて右目から赤い目やにが出る!」主訴で来院されました。麻酔下で咬傷、口腔内の検査を詳細に行うことにしました。

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●口腔内検査
右上顎犬歯の歯肉部分が赤く、軽度の腫脹みられ、圧迫することで歯肉から血膿が染み出すことが分かりました。

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●レントゲン撮影
プローブで歯肉のポケットを検査しても正常でしたので、根尖部観察のためにレントゲン撮影を行うことにしました

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●ドレイン装着
レントゲン撮影では、根尖部は綺麗で膿瘍形成時の黒抜け像もありませんでした。そこで、歯肉を剥がして軟部組織の検査を行いました。擦ると広い眼下部にスペースがあり、その部位を洗浄すると下眼瞼の結膜から洗浄液が排出され穴が発見されました。

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●結論
今回の症状は、歯の問題ではなく、咬傷あるいは外傷により眼窩部が感染を起こしたようです。
前回の「猫の口腔疾患その1」では、犬歯の根尖部膿瘍でした。今回のその2では、外観は類似所見でも、原因がまったく異なっていました。検査、レントゲン撮影を行うことなく安易に抜歯してしまっては、大切な歯を失うことになります。麻酔下で詳細な検査を実施する意味ここにあります。

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猫の口腔内疾患 その1 [News]

●口腔内疾患
猫の代表的な口腔内疾患は、口内炎です。
今回の主訴は「食べたいけれども食べれない、食べると口を痛がる仕草をする」でした。口腔内の詳細を検査したくとも口を開けることにひどく抵抗するため、検査と処置を含めて麻酔をかけさせていただくことにしました。

●歯肉腫脹
主訴と抵抗感から口内炎と予想をしていましたが、口内炎、口峡炎共に存在しませんでした。歳の割に歯石もほとんどなく綺麗で歯の動揺も見られませんでした。
しかし、右の上顎犬歯部における軽度の腫脹と歯肉の一部の凹みが観察されました。

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そこで、レントゲン写真を撮影をしてみると.....。
歯槽骨が溶解し、歪な象牙質、黒いスペースが見えました。
この写真から膿瘍と歯肉縁下の歯石堆積を疑いました。

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●抜歯および処置
抜歯した犬歯です。
外に出ている部分には、ほとんど歯石がみられないのですが、歯肉縁下には多量の歯石と膿が付着、堆積していました。歯肉を切開剥離し、歯槽骨の一部を切削し、洗浄を繰り返しました。膿が著しいため、縫合は時期をずらすことにしました。

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●その他の疾患
口が痛くて長期に渡り食べれず痩せているのかと思いきや、食べれなくなったのはつい最近のことだそうです。怒りっぽい性格と著しい削痩状況から甲状腺ホルモンの測定をお勧めしました。予想通り甲状腺ホルモンレベルが高く、甲状腺機能亢進症と診断できましたが、治療用の食事は好きではなく、また薬も飲まされない状況では、せっかく診断が下っても悩ましい問題が残ります。

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犬の扁桃腺切除 [News]

●キャバリア モカ ♂ 5歳
「2年前から症状があったが、特に最近いびきの音が酷い」との主訴で島根県から来院されました。身体検査では、主訴の通り呼吸音が気になりました。他には、指の間、耳が赤く、歯石が中程度付着していることが気になりました。

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●喉の観察
いびき様の大きな音を発するとなると@軟口蓋過長A口腔内腫瘍B扁桃腺腫大C小嚢反転などが考えらえます。中でも@の軟口蓋過長症がほとんどを占めます。しかし、犬種がキャバリアとなると、心臓病は有名ですが、軟口蓋過長の経験は過去にありません。とにもかくにも口腔内を観察させていただくために麻酔許可を戴きました。

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●左扁桃腺の切除
開口するとまず目に飛び込んできたのは、左扁桃腺の腫大でした。そして、他に異常がないかを詳しく観察した結果、この扁桃腺が原因であると仮定しました。
扁桃腺腫瘍も考慮して、切除の際には大目に組織を切除することを意識しました。

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●術後
術後3日目までは、まったくイビキが収まらず、次には鼻の中に問題があるのか?と次なる検査を検討しましたが・・・4日目以降は、寝ていてもどこへいるのか分らないほど、静かになった報告を受け、安心しました。

●病理結果
結果には悪性所見はなく、症状は治まり病理結果も安心できるものでした。遠方から来ていただいた甲斐がありました。

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