広島県呉市「石崎動物病院」

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犬の後頭骨(孔)形成不全 [News]

●アオちゃん ♂ チワワ 7か月
「豚の耳菓子を食べたら調子が悪くなり痛がる!」主訴で来院されました。お話を伺うとそれはそれは、大きな豚の耳の干物でした。確かに食道に閉塞していれば、違和感があり、痛みがあるかもしれないと思いましたが....この干物はいつも食べているらしく、今まで特に問題はなかったと伺いました。触診をしてみると、どこか痛がります。頚部の筋を触ると中程度の硬結を感じました。首、胸に狙いを絞って、翌日にレントゲン検査をさせていただくことにしました。

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痛みが治まった処置翌日の写真です

●鑑別リスト
レントゲン撮影にあたり、大きく4つの病気に絞りました。@環軸亜脱臼;第一頸椎と第二頸椎間の靭帯支持に問題が生じ、脊髄を圧迫が加わります。A歯突起欠損、骨折;第二頸椎の骨の一部が先天的に欠損、あるいは骨折することで脊髄に圧迫が加わります。B後頭孔形成不全によるキアリ奇形;後頭部に位置する穴の先天的異型により小脳の一部が脊柱管に落ち込む状態です。(MRI必要)C椎間板ヘルニア;椎体と椎体間にある椎間板が飛び出すことで脊髄を圧迫します。

●レントゲン写真

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環軸椎亜脱臼の検査

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歯突起欠損、骨折の検査

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後頭孔形成不全の検査

●結果
レントゲン撮影から後頭骨形成不全があること判明しました。しかし、応急的に行った首の固定で、翌日から痛みが消えて動きが良くなりました。....となると頚部の損傷、椎間板ヘルニアが疑われます。痛みの再発を繰り替えす様であれば、MRIによる検査をお勧めしたいと思います。


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犬の全身マラセジア感染症 [News]

●ポメラニアン ♀ 13歳 バンビ
「全身を痒がる!」主訴で来院されました。

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●初日
皮膚から材料を採取し、顕微鏡で観察すると沢山の酵母菌が発見されました。この酵母菌はマラセジアと呼ばれ、正常な皮膚にも存在しています。しかし、皮膚の状況の悪化(炎症)により過剰に増殖してしまうと、今回の様な症状を招きます。

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●7日後
毛刈りを行い、シャンプー療法を行いました。
シャンプーのみでコントロールできなければ、投薬も行いますが、出来るだけ薬を使わない方針の私は、まずは優しい治療から行うことを心がけています。

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●3週間後
このマラセジア性皮膚炎の下地には、アレルギーが関与していることがほとんどで、2次性マラセジア性皮膚炎とも呼ばれます。根本治療には、アレルギーの診断が不可欠で、アトピーと食物アレルギーの鑑別が必要になります。

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痒みはほぼ治まり、毛も生えそろってきました。この様に一旦綺麗になってしまうと再発しない限り、原因追究を希望されないのが飼い主さんの一般的な心理のようです。よって、次回発生時には、検査をお勧めしたいと思います。


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猫の好酸球性肉芽腫 [News]

●るみ ♀ 8歳 日本猫
「足先に穴が開いて膿が出ている!」主訴で来院されました。「外出しない、他に5匹いるが喧嘩することもなく原因が分からない、どうしてか?」と質問されましたが....先ずは、麻酔下で処置をさせていただくことにしました。

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●咬まれ傷?
第2指と第3指の間に1o程の穴があき、そこから膿が出ていました。膿を採取して検査すると、主たる細胞成分は好酸球がほとんどを占めていいること分かりました。また、通常の喧嘩による咬傷と比較して、周辺がぼこぼこと腫れ上がっている様相から、組織検査を同時に行いました。

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●病理検査
コラーゲン線維の融解を伴う好酸球性炎症、つまり好酸球性肉芽腫でした。この病気はアレルギーが病因と言われますが、真の原因は不明とも言われます。好酸球肉芽腫は、口唇に認めることがときどきありますが、足先にできることもあるのです。今回は、最初から単なる咬まれ傷ではないと疑っていましたが、治りが悪い場合には、精密検査(病理検査)が役に立つことがあります。

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●10日後
腫れと潰瘍がほぼ治まりました。

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