広島県呉市「石崎動物病院」

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炎症性ポリープ ”血便、侮るなかれ” [News]

●ダックスフンド ♀ ぺぺ 10歳
1年半前に便に血が混ざると来院されました。それから1年後、良便の後に必ず血が混ざると再度来院されました。頻度が高いので、この度は、詳細を調べる内視鏡検査を決心されました。

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●内視鏡所見
肛門から直ぐにポリープ病変が観察されました。さらに肛門から10cmの部位では、点状出血が見られ。盲腸の手前から肛門の間の計4か所で組織を採取し病理検査へ提出することにしました。

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●歯石除去
以前から希望されていた歯石除去をようやく実現することができました。

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しかし、残念ながら既に歯肉は後退し、歯の根が露わに出現してしまう状態になっていました。もう数年早く処置をされていれば・・・・残念です。

●病理検査
粘液分泌亢進を伴う、直腸と結腸の炎症性ポリープと慢性リンパ球、形質細胞、カタール性結腸炎でした。ダックスフンドは、直腸と結腸に炎症性ポリープを発生しやすい犬種と言われています。この病気はアメリカでの発生は少なく、これから研究、解明されるものです。

●治療と教訓
今後の治療は、外科手術もありますが、まずは食事療法をしっかりとするか、免疫抑制剤を使用するかは、飼い主さんと話し合いをして決めたいとおもいます。

血便が出る場合には、腫瘍、炎症性腸炎などの可能性があります。できるだけ早めに検査を受けることをお推すめします。”血便、侮るなかれ”


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貧血の原因は胃潰瘍。 [News]

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●散在する胃潰瘍
胃を開けてみると、大量に停滞した食物の処置に時間を要しました。なぜ、食物が大量に溜まってしまったのか?原因は、フエルト状の異物でした。そして、その影響で食べ物が長期に停滞し、散発する潰瘍が発生し、その潰瘍からの持続的出血により重度の貧血につながったと考えられます。今回の来院まで、かなりの時間かかっています。飼い主さんは、食欲があるから安心されていましたが、明らかに痩せてきていました。後手にまわってしまった手術が悔やまれます。

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●胃の穴
十二指腸に入る手前の胃に大きな穴が開き、既に腹膜炎が発生していました。腹水を培養検査に送り、大量の生理食塩水で腹腔内を洗浄し、潰瘍部分を切除して縫合しました。

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●潰瘍
胃の中に多数存在した潰瘍です。一部は深く上記のように破れていましたが、今後この潰瘍が速やかに治癒してくれることを願います。通常どおり、この切除部分は、病理検査へ提出します。

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●胃内容
飼い主さんの話によると、食べ物は数日前に与えた内容らしく、長期に胃に停滞していたことが考えれらます。その原因は、上記にも紹介した右側のフエルト様の端切れでした。飼い主さんには、覚えが無く、どこで食べてしまったか分かりませんでした・・・・。

●考察
初診で著しい貧血と血液の再生像が見られました。再生がみられる貧血は、@失うかA壊れるかです。尿、腹部における血液の存在はなく、消化管出血の指標である血中の尿素窒素は正常でした。よって、最初は、自己免液疾患を中心にすすめていました。しかし、黒い便の存在から展開が変わりました。再度、腹部超音波を見ると、著しく拡張した胃と腹水の存在。そしてその胃の中には、さまざまな映像が入り乱れていました。麻酔をかける状況ではありませんでしたが、内視鏡検査で異常を確定し、腹部切開へ移行しました。強硬な緊急手術となりましたが、無事に終わりなによりです。これから、回復に向けて腹膜炎の問題、存在する潰瘍の問題が残りますが、退院にむけて精一杯力を注ぐつもりです。


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唾液腺切除 [News]

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●チャイ♂8歳トイプー
耳の下に大きく膨らんでいるのが閉塞を起こした唾液腺です。1月から腫れたり、引いたりを繰り返していましたが、麻酔に不安がある心配性の飼い主さんは、手術を躊躇していました。ついに、決心がついたところ、手術間際に自己免疫性溶血性貧血になってしまい延期を余儀なくされました。
今回、貧血から回復し、ようやく重い腰が上がり晴れて手術となりました。

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●唾液腺切除
唾液腺を周囲の組織から分離、縫合して切除します。首の周辺は、大切な神経、血管が位置しているので慎重に進めなければなりません。時間経過が長いため、剥離に時間を要しました。

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●歯石除去前
以前から、歯石除去をお勧めしていましたが、この度、唾液腺除去と一緒にして欲しいとの依頼により行いました。人間の世界であれば、一緒にすることは先ずありませんが、我々は、歯石除去も麻酔をかけなければならないので、しばしば一緒にさえて戴くことがあります。

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●歯石除去後
歯石が堆積していた割には、歯ぐきが下がることもなく、歯周ポケットも正常範囲でした。これで、頬ずりすると爽やかな香りがすることでしょう。これからは、食事管理と歯磨と定期チェックで輝く歯を維持していきましょう!

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●術後7日目
3日目にかなりの浮腫とともに皮下出血を生じました。4日目に排液チューブを抜き、7日目には腫れと出血が治まりました。飼い主さんも、当初は「痛々しくて手術するんじゃなかった」と心配された様ですが、後は抜糸を待つのみとなりました。御心配をおかけしましたが、数日後に終了です。ご苦労様でした。


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