広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

RSS1.0


再)犬の肛門腺腫の処置 [News]

●ノア 8歳 ♂ シーズー

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

飼い主さん曰く
「2年前から痔の存在は分かっていたが、気にしてなかった。」「最近、特にひどくなったので薬が欲しい」と来院されました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●肛門周囲線種
肛門周囲線腫とは、肛門周囲に発生する腫瘍です。処置は、外科的切除か凍結手術です。痔でないことを説明しました。肛門周囲腺種には、両性、悪性とありますが、今回、飼い主さんは凍結のみを希望されました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●凍結処置
全部で3か所の大きな腫瘍でした。
右上の物は大きな穴が開き、液体が産出しています。肛門括約筋は、半分まで切除できますが、3/4に発生が見られます。括約筋を傷つけないように処置することがポイントになります。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●処置後
処置後、それぞれにやや腫れが見られます。これから凍結部分が溶解壊死し、脱落していきます。しっかりと説明していても、溶解の著しい時期には、このままどうなるのかと不安な状態に陥ります。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●術後3週間
今回も十分説明させていただきましたが、飼い主さんは不安になり、こんな処置やらなければよかったと怒り、来院されなくなってしまいました。しかし、3週間後には、腫瘍がすっかり脱落し、病巣も修復され、満面の笑みで来院されました。飼い主さん曰く「やっぱり、やって良かった、良かった!」・・・・(笑)。私は聞こえない小さな声でそっと呟く「勘弁してくださいよ〜。だから絵まで書いて説明したでしょー!」と・・・・。

●飼い主さんへ
凍結手術は、組織(腫瘍)を溶解壊死させる方法です。一時期「ドロドロ、ぐちゃぐちゃ」になることをご理解の上、処置を了解、同意ください。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●追加 45日後
すっかり綺麗になった肛門です。その後の腫瘤の発生も見られず、この度は件は、3か月後の予約を入れて、これにて終了です。お疲れ様ですた!

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

ノアちゃんも、散髪へ行って顔も肛門も綺麗になって、きっと満足していることでしょう〜!???(笑)


関連タグ :

  一記事表示

高齢犬の膣にできた腫瘤 [News]

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●15歳 雑種 ♀
「乳腺腫瘍が裂けた!」と山口県からいらっしゃいました。
よく見ると、乳腺腫瘍ではなく、陰部から腫瘍が頭を出している状況でした。急ぎ、一般状態を検査して手術可能かを検討しました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

●腫瘍摘出
身体検査、血液検査、胸部レントゲンをクリアーして、手術に進みました。飛び出した腫瘤は、陰部の入り口を大きく塞ぐ形で位置していました。この部分の腫瘍は、なかなか大きくなって外に顔を出す様にならないとみつかりません。病理検査を待ちますが、たぶん平滑筋腫だと思います。そして、超音波検査で発見した子宮と卵巣の異常から、そちらも一緒に手術をすることにしました。

●異常な卵巣と子宮も摘出

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

大きく膨らみところどころ結節状になった子宮、そして、大きく変化した卵巣を腹腔鏡を用いてで取り出しました。
半年前には、下に見える乳腺切除の相談にこられたのですが、高齢(15歳)故に手術を躊躇されていたのが、今回の事態で考える余地もなく麻酔、手術へと相成りました。
半年前と比べると乳腺腫瘍の数は確実に増えました。今回は年齢と手術時間を考慮して、先ずは今問題の膣の腫瘍と異常な子宮と卵巣を取ることで一旦終了しました。

画像(330x247)・拡大画像(640x480)

この傷が癒えてから、乳腺切除を検討するようにお伝えするつもりですが、たぶん一旦この状態が良くなり元気になれば、腫瘍が裂けない限り今後の手術はされないような気がします。15歳といえども、様子を見れば見るほど年を重ねリスクが増加します。前向きに速やかに切除されることをお勧めします。

●高齢になると
10歳を越えると、飼い主さんはもう歳だからと手術を躊躇してしまいます。しかし、早い段階で手術を行うことで簡単に解決できる問題を数年悩み待つことにより、さらに大きくしてしまい、さらに年齢を重ねた別の問題を発症(心臓、腎臓など)させてからの悪い状況下での手術になってしまいます。
お気持ちは分かりますが、状況に合わせてアドバイスさせていただきますので、まずは早期に相談をお願いします。


関連タグ :

  一記事表示

救命救急内科学 [News]

●救命緊急内科学 6月
今回の先生は、コロラドからいらっしゃったエネルギー溢れる、女性の先生でした。特にパグがお好きで、また、ジャズダンスのインストラクターらしく、二の腕の筋肉は只者ではありませんでした。

緊急疾患ですから、肺挫傷、高カリウム血症、心肺蘇生、糖尿病ケトアシドーシス、調べていないから発見されていない副腎皮質機能減退症など、復習と新たな情報入手ができ、エキサイティングでした。

院長 石崎俊史


関連タグ :

  一記事表示

過去の記事へ

ページのトップへ

症例検索キーワード

  • お問い合わせ
  • スタッフ募集
  • 石崎動物病院の日々

検索

最近の記事

リンク集

powered by a-blog

[Login]