広島県呉市「石崎動物病院」

動物に優しく思いやりのある診療をモットーに

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再度登場!ムサシの便り。 [News]

●ムサシ シーズー 5歳  
以前、歯科分野で登場したムサシ君ですが、今回は、腸閉塞で登場です。
稟告は、7月1日から下痢になりました。食事療法で経過は順調でしたが、一旦再発。3日後にはもとに戻りました。それから、5日後、今度は嘔吐が発生しました。

●緊急手術
嘔吐の量が多かったので、飼い主さんの胸騒ぎがし、急ぎ、浜田から車を飛ばして来院されました。

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「ガバット吐いた」と聞きましたので、触診を慎重に行うと「何か丸い、ビー玉か?しかし、ビー玉にしては動く様子は全くなし。本人は膨らんだ腸管を触るも違和感なし。」異物の閉塞を想定して、次に超音波へ進みました。超音波検査では、閉塞の特徴である腸管の液体貯留。その液体は動く様子が無く停滞している感がありました。
飼い主さんに、急ぎ切開することを進めて緊急手術になりました。閉塞している部分は、小腸の最後の部分である回腸で、時間的に早かったので、腸の血行は保たれ変色はありませんでした。

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●切開、縫合
犯人は、梅の種でした!梅の種の手前の腸は拡張し、梅は全く動かない状況におちいっていました。基本的な切開と縫合、そして、その縫合部に大網を巻きつけて終了しました。飼い主さんの素早い対応で腸管の切断吻合に至らなく幸いでした。

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●惜しかった梅干
何が惜しかった?というと、今回閉塞していた場所は回腸でした。後3cmで結腸に到達できました。結腸まで行けば便として排出されていたと思います。しかし、梅の種も力尽き、動かなくなってしまったのでした。
残念、無念・・・・。

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●4日目のむさし君
飼い主さんは遠方の島根県、浜田市の方ですので、抜糸までの入院になりました。この写真、術後4日目です。

ムサシ君は言いました「父さんへ、暑い毎日が続きますがその後いかがお過ごしでしょうか?さて、この度は、ちょっとつまんだ梅の種で大変ご迷惑をお掛けしました。傷の具合も順調で、食欲もあり、皆に可愛がってもらっていますので安心してください。次回は腸に引っかからない程度のサクランボの種にしますね(笑)。退院が待ち遠しいですが、後5日ほど居る予定です。もう少し待ってて下さいネ!」

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頚部椎間板ヘルニア [News]

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●ジャフ ♂ 10歳
肢をひどく痛がり、突然「ギャーン」と鳴く主訴で来院されました。症状、首の固さ、犬種から頚椎ヘルニアと仮診断して治療に入りました。性格的にかなりアグレッシブなので首をバンテージ固定することにしました。

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●2週間に一度
安静と伝えつつも、ジャフには分かりません。飼い主さんの協力を得るも、2週間もするとバンテージはボロボロになります。「残り21日、頑張ろう!」と応援メッセージ付きの新しいバンテージを装着して、今日も元気よく帰宅しました。痛みの伴う時は、針とレーザーを行いましたが、現在は痛みはなく、オゾン療法のみの処置を行っています。

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首には針が刺さっているのです。

●ポメ ♂ 10歳
「半年前から肩の方を触ると鳴く」「時折ギャーと鳴く」との主訴で来院されました。
神経症状はありませんが、首の周りに軽く圧を加えるだけで、痛そうに首をすくめます。そして、首の周囲の筋肉はかなり固くなっています。頚部ヘルニアと仮診断しました。

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針とレーザーで痛みを取り。バンテージ固定しました。そして、オゾン療法を追加しました。丁度、上記の「ジャフ」が来院していましたので、飼い主さんがジャフを見るなり「うちの子にも、同じ様にしてください!」とすんなりバンテージをご理解いただき装着になりました。安静は約2か月、大変だと思いますが頑張りましょう!

●コンセプト
先ずは、MR撮影を行って原因を追究しなければいけないことは理解しています。また年齢的にも脳、脊髄腫瘍も考慮しないことも承知です。その話をしつつ、飼い主さんに選択いただき、この対称療法をとります。
この方法を行いながら、症状が進行するのであれば、検査、手術もお勧めしまが「できれば切らないで治るのであれば」が基本方針です。
オゾン療法は、周囲の炎症を取り、筋肉を緩めることで突出したヘルニア物質が治まる症例(人の報告)もあります。
神経症状が出ていなければ、先ずは、安静、固定、針、オゾン療法を行うのも一手段です。
この2件は、神経症状がほとんど出現していません、共に著しい痛みです。明らかにふらつく、歩行できないなどの症状がある場合には、手術をお勧めします。誤解が無き様お願いします。

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胃切開と空腸カテーテル [News]

●ヨークシャテリア、10歳、1.85kg、♀

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●稟告
10日前から嘔吐、下痢をして近くの獣医さんで診察してもらい、甲状腺機能減退症と診断されたそうですが、下痢は止まったものの、嘔吐が散発すると来院されました。

当院の診察では、口腔内の乾燥と皮膚の弾力性の低下から中程度の脱水。陰部が腫大し、乳汁がでることより卵巣の異常が考えられること。尿検査でケトン(3+)があることから長期?の栄養不全が考えられること。嘔吐が続いているので、消化器疾患を疑って、先ずは超音波検査を行うことにしました。そして、いきなり目に飛び込んできたのは「胃の中の変な異物!」でした。

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●胃切開
先ずは内視鏡と考えましたが、超音波検査にてたくさんの異物を発見しましたので、患者の全身状態を考慮して、時間が短い、開腹による異物摘出を選択しました。胃を出してみると大きく膨れ上がり、間違いなく異物が入っていることが想像されました。

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●胃潰瘍
「レンコン出るわ、出るわ!」異物となったのは、たくさんのレンコンでした。また、レンコンが長期に存在していたために、深い胃潰瘍が数か所形成されていました。

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●空腸カテーテル
胃潰瘍が多数あるので、胃をしばらく休ませる事にしました。胃→十二指腸の次にある空腸にカテーテルを装着して、そこから栄養補給を行います。右下のカテーテルは、腹壁を通過して空腸に固定されています。

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●卵巣、子宮摘出
手術前の超音波検査で卵巣、子宮の異常は分かっていましたので、胃切開と同時に摘出術を行いました。写真の通り大きく膨らんだ子宮と拡大した卵巣が見えます。

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●回収品
小さな体からレンコン出ること14枚。飼い主さんは全く身に覚えがないとのことですが、現実に胃には満タンのレンコンが全く消化されずに詰まっていたのでした。2kg未満の小さな体に、5p大のレンコン群を飲み込んで大変なことになったのでした。

<教訓> 
人は「レンコンは良く咬んで食べましょう!」
動物は「レンコンをあげたい時には、小さく切って与えましょう!」

●その後
順調に経過して帰宅する予定でしたが、嘔吐と下痢と低血糖が発生し、さらなる検討を加えることになりました。副腎皮質機能減退症、急性膵炎、膵外分泌不全の検査を行いましたがいずれも結果は「白」でした。今日は、低血糖の管理のための点滴を外すことができました。空腸カテーテルからではなく口から食べれるようになり嘔吐も無くなりました。後は下痢から軟便に改善しつつある症状が改善されれば、待ちわびる飼い主さんの元に帰れます。来週頭には帰れそうです、今しばらくお待ちください!そうそう、記載漏れしましたが、脾臓、膵臓、腸から肝臓へ流れる血管異常である門脈シャントの疑いが残っていますので、次回の来院時に検査したいと思います。

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